好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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The Byrds - We'll Meet Again

 某公共放送による年末恒例の歌合戦の後は、「ゆく年くる年」なる番組が放送されています。お気に入りの女性ヴォーカル・グループを目当てにその歌合戦を観たのは遥か昔の少年時代のこと。以来、年越しの時間にわざわざチャンネルをあわせることがなく、何年も「ゆく年くる年」を観ておりません。除夜の鐘が鳴り響く日本各地の寺院の様子や初詣に参拝する人々の姿が映し出されるのを観て厳かな気分になった記憶が、頭の片隅に僅かながら残っているだけです。
 さて、そんな話と関係ありませんが、当ブログも年末押し詰まった雰囲気を少しでも醸し出す選曲を心掛けることにしました。お題は「We'll Meet Again」。ザ・バーズが1965年にリリースしたアルバム、『Mr. Tambourine Man』のラストを飾る曲です。


Mr. Tambourine ManMr. Tambourine Man
(1996/03/07)
Byrds

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1. Mr Tambourine Man
2. I'll feel a whole lot better
3. Spanish Harlem incident
4. You won't have to cry
5. Here without you
6. Bells of Rhymney
7. All I really want to do
8. I knew I'd want you
9. It's no use
10. Don't doubt yourself babe
11. Chimes of freedom
12. We'll meet again
13. She has a way
14. I'll feel a whole lot better
15. It's no use
16. You won't have to cry
17. All I really want to do
18. You and me

国内盤も新装再発売。

ミスター・タンブリン・マンミスター・タンブリン・マン
(2013/03/06)
ザ・バーズ

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WE'LL MEET AGAIN
再び会いましょう、どこでいつかは分からないけれど
でもきっといつか会えるさ、ある晴れた日に
君はいつもの笑顔を絶やさぬように
青空が暗雲を追い払うまで
ある晴れた日に、ある晴れた日に
ある晴れた日に
再び会いましょう、どこでいつかは分からないけれど
でもきっといつか会えるさ、ある晴れた日に

君はいつもの笑顔を絶やさぬように
青空が暗雲を追い払うまで
ある晴れた日に、ある晴れた日に
ある晴れた日に

 生きていれば別れてもまた会えると歌う、「We'll Meet Again」。もともとイギリスの女性シンガー、ヴェラ・リンが1939年に発表した曲で、1943年には彼女が主演した同名ミュージカル映画の主題歌にもなりました。ザ・バーズは1964年に公開されたスタンリー・キューブリック監督、ピーター・セラーズ主演の映画『Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb(邦題:博士の異常な愛情)』のエンディングに使用されていたことにインスパイアされてレコーディングした模様で、「次回のアルバムをお楽しみに」といったメッセージも込められているようです。
 
 こちらがヴェラ・リンのオリジナル・ヴァージョン。


 映画『博士の異常な愛情』より。核爆弾が次々と爆発する衝撃的なエンディングです。


 この曲は出征して行く兵士の間で人気があったとのことです。家族や恋人を残して戦地に赴く彼らの心情と重なるところがあったのでしょう。ヴェラ・リンが兵士たちを慰問したと思しき映像が残されているので、宜しければご覧ください。


 この曲は数多くのアーティストによって歌い継がれております。男の哀愁と帰還出来ぬかもしれない心境が滲み出たジョニー・キャッシュの名唱をお聴きください。2002年発表のアルバム 『American IV: The Man Comes Around』に収録。


 ジュリー・アンドリュースも1974年に放送されたTVショーの中で歌っていました。


 1966年にリリースされたザ・タートルズのヴァージョンはバーズとはまた違った陽気なフォーク・ロックにアレンジされています。


 それではフランク・シナトラ御大の歌声でお開きにしましょう。1962年の 『Sinatra Sings Great Songs From Great Britain』に収録されています。年末を意識したと述べましたが、再会を望む歌によってまるでブログの終了を連想させるようなムードになってしまいました。今後も稚拙な内容ながら細々と続けて行く所存ですので宜しくお願い申し上げます。


 さて、再会と言えば年の瀬に政権が交代し、一度挫折した総理の再登板という稀有な出来事が起こりました。保守の側にいる方々からは概ね歓迎の声。ところが、リベラルの側にいる皆様はこの総理をタカ派と攻撃したり、「経済が良くなれば暮らしが良くなる時代ではない」との趣旨の批判をしたりと、彼を再び奈落の底に落とそうと手ぐすねを引いておられるようです。今の日本の現状を鑑みると日本人同士が争っている余裕などありません。原発およびエネルギー問題、自衛隊の国防軍への改組、憲法改正、領土問題など隣国との関係や国民的議論を要する難題はさておき、景気回復、震災に見舞われた東日本の復興、拉致問題の解決など全速力で取り組んで答えを出さねばならないことが幾つか待ち受けています。党の政策や総理の動きに厳しい目を向けるのは当然のことながら、同時に捲土重来に賭けるのも一考の余地があるのではないでしょうか。

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Stephen Bishop - The Christmas Song

 前回の記事で取り上げたローラ・ニーロの「Christmas In My Soul」は少々重苦しかったので、今回は爽やかで心が温まるようなクリスマス・ソングをお届けします。ご登場願うのはBishことスティーヴン・ビショップ。彼が参加したクリスマス・アルバム、『The Stars Come Out For Christmas』から「The Christmas Song」をお聴きください。
 なお、ビッシュを始めカーラ・ボノフやケニー・ランキンなど多くのアーティストが参加したこのアルバムはアメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴにある「チルドレン・ホスピタル」に重病で入院している子供たちのためのチャリティー盤です。もともと2枚組で発売されたようですが、その中から15曲を選んで1991年に1枚のCDで再発されました。現在は廃盤のため、amazon での取り扱いがありません。よって画像を掲載することが出来ないので参考までに収録曲を記しておきます。
 
01. When The Stars Come Out For Christmas (Commodores)
02. Christmas Needs Love To Be Christmas (Juice Newton)
03. Rudolph, The-red-Nosed Reindeer (Don Mclean)
04. Away In A Manager (Kim Carnes)
05. Mary's Boy Child (Little River Band)
06. The Christmas Song (Stephen Bisop)
07. The First Noel(Karla Bonoff)
08. Everybody's Home Tonight (Karla Bonoff)
09. A Baby Just Like You (The McCaters)
10. Santa Claus Is Coming To Town (Kenny Rankin)
11.The Greatest Gift Of All (Nicolette Larson)
12. Have Yourself A Merry Little Christmas (Kenny Loggins)
13. Greensleeves (Jose Feliciano)
14. Silent Night (Country Choir)
15. I'll Be Home Christmas (Beat Boys)



THE CHRISTMAS SONG
暖炉で焼ける栗の実
霜が鼻先をぴりっとさせる頃
聖歌隊の歌うクリスマス・キャロルが聴こえる
人々の格好はエスキモーのよう
誰でも知っている
七面鳥やヤドリギの葉がこの季節に相応しいと
幼き子供たちは目を爛々と輝かせて
今夜は寝付けないだろう
サンタがもうじきやって来る
たくさんのおもちゃやお菓子をそりに積んで
どの子供だってこっそり見たいものさ
トナカイがどうやって本当に空を飛べるのかを

だから私はこのさりげない言葉を贈ろう
1歳から92歳の子供たちへ
何度も繰り返されて来たありふれた言葉だけど
メリー・クリスマス
メリー・クリスマス


 ジャズ・シンガーのメル・トーメとピアニスト、ソング・ライターのボブ・ウェルズの共作による「The Christmas Song」。アメリカで最もポピュラーなクリスマス・ソングと称され、カヴァー・ヴァージョンは枚挙に暇がありません。ここでのビッシュのヴァージョンはジャジーなムードを醸し出しており、エンディングで「ジングル・ベル」のメロディを配し、彼一流のお洒落なセンスが窺えました。
 なお、メル・トーメ自身のレコーディングもありますが、ファースト・リリースは1946年にリリースされたナット・キング・コールのヴァージョンです。

 メル・トーメとジュディ・ガーランドの共演映像。ジュディ・ガーランド・ショーに出演した際のもののようです。


 ナット・キング・コールのヴァージョン。


 こちらは娘さんのナタリー・コールのヴァージョン。1994年リリースのアルバム、『Holly & Ivy』に収録。


 ボブ・ディランのヴァージョンは2009年リリースの『Christmas In The Heart』に収録。


 オムニバス・アルバム『Christmas Rule』(2012年リリース)に収録されていたポール・マッカートニーのヴァージョンです。彼が、2012年に発表したスタンダード集『Kiss On The Bottom』は賛否両論が巻き起こりました。しかし、スタンダード・ナンバーを歌うポールは凛々しく、よく似合っています。



Holidays RuleHolidays Rule
(2012/10/30)
Various Artists

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Laura Nyro - Christmas In My Soul

 今年も至る所でクリスマス・ソングが溢れる時期です。気の早いスーパー・マーケットでは、ハロウィンの翌日から「ジングルベル」だの「赤鼻のトナカイ」だの「もろびとこぞりて」だのといったBGMが流れていました。景気が上向く様子もない中、商魂逞しく少しでも売り上げを伸ばすために勤しむといったところでしょうか。
 というわけで今回の拙ブログもクリスマスの雰囲気を味わえる歌をお題とします。ご登場いただくアーティストはローラ・ニーロ。彼女が1970年にリリースしたアルバム、『Christmas And The Beads Of Sweat』から「Christmas In My Soul」を取り上げることにしました。

Christmas & Beads of SweatChristmas & Beads of Sweat
(1990/07/03)
Laura Nyro

商品詳細を見る

1. Brown Earth
2. When I Was A Freeport And You Were The Main Drag
3. Blackpatch
4. Been On A Train
5. Up On The Roof
6. Upstairs By A Chinese Lamp
7. Map To The Treasure
8. Beads Of Sweat
9. Christmas In My Soul



CHRISTMAS IN MY SOUL
若き勇者たちよ
幼子たちよ
私の愛の本を読みましょう
兄弟姉妹を敬いなさい
愛の本の下に
容易いことではないけれど
人はより良き日を望んでいるものよ
若き勇者たちよ
幼子たちよ

私は祖国を愛している
目の前で
戦争や苦痛の中で
人々が死んで行こうと
無礼な世の中を渡り歩く
政治の罪
罪の政治
クリスマスの日に
無情の世の中が私の心を暗くする

葉に飾り付けられた赤や銀の装飾
木々の間を静かに雪が舞う
地獄の戦争の光景に聖母マリアがすすり泣く
人々はキャンドルを吹き消し
クリスマス・キャロルに没頭する
クリスマスの日に世界中に鳴り響く
行き先知れずの愛

ブラック・パンサーの党員たちは
監獄で拘束されている
シカゴ・セブンと
正義の基準
マンハッタンにいる
ホームレスのインディアン
神の子はすべて裁かれ
神の愛はクリスマスなのに
時節に合わない

さぁ、戦う時が来た
聖書の戒律が鮮やかに焼き付く
人々よ、汝のアメリカのために
勝利を得なければならない
威厳をもって
クリスマスの日に
崇高な世界を示すために

私の魂の中にあるクリスマス
若き勇者たちよ
幼子たちよ
この世界に喜びを

ブラック・パンサー
 1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人民族主義運動、黒人解放闘争を展開していた急進的な政治組織。黒人の地位向上を掲げた。公民権運動の指導者マルコムXの暗殺により活動が活発化し、マーティン・ルサー・キング牧師の暗殺以後に活動のピークを迎える。マルコムXの攻撃性を受け継いだブラック・パンサーはキング牧師の非暴力主義に否定的だったが、彼個人に尊敬の念を抱いていた。
シカゴ・セブン
 1968年のシカゴ民主党大会で暴動を企てたとされるアビー・ホフマン、ジェリー・ルービン、トム・ヘイドンら7人の被告の呼称。1972年に全員無罪の判決が出されている。

 ブラック・パンサーやシカゴ・セブンといった実在の組織や団体を例にあげ、反戦と平和を訴えた「Christmas In My Soul」。出口の見えぬベトナム戦争で国内情勢が混沌としていた当時のアメリカの世相をストレートに描いた表現が胸を打ちます。彼女がこの歌の中で憂えたことは現代のアメリカ社会の苦悩とも通じ、言い換えれば殆ど好転していないと解釈してもよいでしょう。ライ・クーダーの「Mutt Romney Blues」の記事でも述べましたが、大統領選挙を通じてリベラル対保守といったわかりやすい図式だけでなく、富裕層と貧しい人、あるいは中間層との格差、世代間ギャップがあらためて浮き彫りになったような印象を受け、様々な面で二極対立が深化しているのが現在のアメリカ。明るい展望がなかなか開けそうにありません。
 
 話は変わりますが、若き勇者たち("Come Young Braves")という歌詞は『Big Wednesday』(1978年公開)で名を馳せたジョン・ミリアス監督による1984年制作のアメリカ映画『Red Town (邦題:若き勇者たち)』を思い起こさせます。この映画の内容はコロラド州の小さな町にソ連、キューバ、ニカラグアの共産圏連合軍が侵攻し、地元の若者たちと一戦を交えるといったものでした。公開当時、「タカ派による反共映画」、「国威発揚映画」などと酷評されましたが、同時に反戦のメッセージも込められているとの意見や少年少女のたんなるサバイバル・ゲームとの厳しい論評もあって評価が分かれていたのを憶えています。個人的には高校生を中心とした若者が共産軍にゲリラ戦を挑むものの奮闘虚しく次々と倒されて行く様に、会津戦争で会津藩が組織した「白虎隊」を連想させました。なお、この映画には『Ghost』(1990)で人気を不動のものにしたパトリック・スウェイジ、『Platoon』(1986)や『Wall Street』(1987)などでスターの座をつかんだチャーリー・シーン、『Back To The Future』(1985)や『Some Kind Of Wonderful』(1987)で人気を博すリー・トンプソンらが出演し、YA(ヤングアダルト)スターと称された彼ら彼女らのフレッシュな演技が興味深いところでもあります。
 1989年に東西冷戦が終結。1991年にはソ連が崩壊したことは言うまでもありません。蛇足ながらこの映画、2009年に仮想敵国をソ連・キューバらの連合軍から中国に変えてのリメイク版が制作されましたが、中国がハリウッド映画の重要マーケットであることや米中間の経済関係などを考慮して撮影済みフィルムを手直し。北朝鮮の侵攻に急遽変更し、2012年11月の公開に漕ぎ着けました。実際の北朝鮮がアメリカを侵略できる軍事力や兵力を装備しているのかとの疑問が呈されましたが、先日の弾道ミサイル発射が成功し、その脅威が現実のものとなりつつあるといっても過言ではないでしょう。
 
 話が少々脱線しました。我が国日本も総選挙後にどういった国づくりがなされていくのか、希望と不安が交錯しています。デフレ解消を含めた景気対策、消費税増税、東日本の復興、原発およびエネルギー問題などといった内政はもとより日米同盟の再構築、隣国との対峙、拉致問題の解決といった外交やTPPなど難題が山積。どの党が政権与党となり、誰が総理大臣になっても困難な道のりを強いられることでしょう。クリスマスとお正月で一息ついた後は相変わらずの試練の一年が待ち受けているのかもしれません。事態が好転することを望むばかりです。

 さて、今回のローラ・ニーロのクリスマス・ソングは重苦しかったしれません。気分転換としてローラが歌う「Let It Be Me/Christmas Song」をお聴きいただければ幸いです。1990年リリースのオムニバス・アルバム、『Acoustic Christmas』に収録されていました。


Acoustic ChristmasAcoustic Christmas
(1990/11/06)
Acoustic Christmas

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The Beatles - Bad Boy

 今回も心の中にしか存在しない「ビートル」の歌声を取り上げます。お題は「Bad Boy」。ザ・ビートルズが1965年にリリースしたラリー・ウィリアムズのカヴァーで、ジョン・レノンがリード・ヴォーカルを担当していました。

Past MastersPast Masters
(2009/09/09)
Beatles

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Disc:1
1. Love Me Do (Original Single Version) (2009 - Remaster)
2. From Me To You (2009 - Remaster)
3. Thank You Girl (2009 - Remaster)
4. She Loves You (2009 - Remaster)
5. I'll Get You (2009 - Remaster)
6. I Want To Hold Your Hand (2009 - Remaster)
7. This Boy (2009 - Remaster)
8. Komm Gib Mir Deine Hand (2009 - Remaster)
9. Sie Liebt Dich (2009 - Remaster)
10. Long Tall Sally (2009 - Remaster)
11. I Call Your Name (2009 - Remaster)
12. Slow Down (2009 - Remaster)
13. Matchbox (2009 - Remaster)
14. I Feel Fine (2009 - Remaster)
15. She's A Woman (2009 - Remaster)
16. Bad Boy (2009 - Remaster)
17. Yes It Is (2009 - Remaster)
18. I'm Down (2009 - Remaster)
Disc:2
1. Day Tripper (2009 - Remaster)
2. We Can Work It Out (2009 - Remaster)
3. Paperback Writer (2009 - Remaster)
4. Rain (2009 - Remaster)
5. Lady Madonna (2009 - Remaster)
6. The Inner Light (2009 - Remaster)
7. Hey Jude (2009 - Remaster)
8. Revolution (2009 - Remaster)
9. Get Back (2009 - Remaster)
10. Don't Let Me Down (2009 - Remaster)
11. The Ballad Of John And Yoko (2009 - Remaster)
12. Old Brown Shoe (2009 - Remaster)
13. Across The Universe (2009 - Remaster)
14. Let It Be (2009 - Remaster)
15. You Know My Name (Look Up The Number) (2009 - Remaster)

 今回紹介する「Bad Boy」はもともとアルバム『Help!』のために用意された曲ですが、選にもれてアメリカ独自の企画盤に収録されました。イギリスでは1966年に発売されたベスト・アルバム『Oldies』に収められています。その後、『Oldies』はCD化されませんでしたが、1988年3月7日に発売された編集盤『Past Master Vol.1』に「Bad Boy」はめでたく収録。このアルバムはオリジナル・アルバムに収録されなかったシングルやレア・ヴァージョンなどを収めたコンピレーション・アルバムで、2009年9月9日のリマスター盤の発売時には姉妹篇の『Vol.2』との2枚組にまとめられました。



BAD BOY
ごんた(悪ガキ)が俺の家の近所に引っ越してきよった
何もまともに出来ひんのに、ちょこんと座ってカッコつけてるだけやで
奴は学校へ行って読み書きを習うのも嫌やときたもんや
家の中であちこちぶらぶら、ロックン・ロールに興じてよる
学校に行ったら先生の椅子に画鋲を置いたり、女子の髪にガムをくっつけたりの悪態ぶり
なぁ、ボンボン、行儀よくせいや

マガジンスタンドに並んだロックン・ロール関連の雑誌は何でも買いよる
手に入れた小銭はすべて、ジューク・ボックスに放り込みよる
奴は寄るまで先生に心配の掛けどおしで、彼女はへとへとに疲れ果ててしもうたわ
そんでロックン・ロールにはじまり、フラフープにクルクルってなもんで
ロックン・ロール三昧にお開きの時間が来ても、このガキは頑として止めよらへん
なぁ、ボンボン、行儀よくせいや

おかんに言いつけたるど、親の言うことは聞いたほうがええで
散髪屋に行ってそのみっともない髪を切り落とせや
カナリアを餌で誘惑して隣の猫の餌にしよったな
おかんの回転式洗濯機にコッカー・スパニエルを突っ込んで洗ったのもおまえやな
おかんが止めろと言うても、このガキときたら融通がきかんぐらい頭がコテコテや
なぁ、ボンボン、ええかげんにせえや

 ジョン・レノンといえば平和運動の旗手というイメージがこびり付いてしまった昨今ですが、本当の彼は暴力的で変わり者だったようです。最初の妻であるシンシアへのDVはよく知られているところですが、リーダーの立場を誇示するようにメンバーにも「おまえ、たるんどるぞ」とばかりに鉄拳制裁を加えていたとの噂。メジャー・デビューする前の1961年に脱退したベーシストのステュアート・サトクリフは翌62年に脳出血でこの世を去り、原因は学生時代の喧嘩や酒場でチンピラに暴行を受けた際の後遺症とされていますが、ジョンに殴られたのが関係しているのではないかと囁く声もありました。
 そんなジョンが平和運動にのめり込んだのは小野洋子さんの影響でしょうか。しかし、ジョンの本心は武力革命には肯定的とも否定的とも受け取れる立場であったとされ、「Power To The People」の日本盤シングルのジャケットでは小野さんとともに「叛」という文字が記されたヘルメットを被って拳を振り上げていました。このヘルメットは中大独立社学同の流れを受け継いだ政治組織である共産主義同盟叛旗派のものです。吉本隆明氏の思想に影響されたといわれるこの組織は、「国家は単なる暴力装置ではなく、共同幻想の産物であり、無化させる運動、階級形成、戦略が必要である」という見解を示していました。少しばかり「Imagine」とも共通するものが窺えますが、ジョンがどのくらい吉本隆明氏の思想や叛旗派の運動を理解していたのかは分かりません。
 平和運動のシンボルに祭り上げられたジョン・レノン。彼には重荷に感じることもあったでしょう。それ故に小野さんと別居していた1973年の10月から75年の1月頃はリラックスし過ぎたのか、ロサンゼルスでリンゴ・スター、ハリー・ニルソン、キース・ムーンらと毎晩のように飲み歩いて羽目を外し、暴力事件まで起こすという日々を送っています。自暴自棄に陥っていたとの解釈もありますが、ポール・マッカートニーや息子のジュリアンとの再会も果たし、ジョンにとっては本来の自分を取り戻す貴重な期間だったのかもしれません。
 さて、ジョンのシャウトするヴォーカルが印象的な「Bad Boy」。実際にこんな隣人がいたなら迷惑でたまらないでしょう。変人で粗暴な性格だったとされるジョン・レノン。ひょっとしたらジョンは自分自身の姿をこの歌に重ね合わせていたのかもしれません。

 こちらのラリー・ウィリアムズのオリジナル・ヴァージョンは1959年のリリースです。ビートルズ、ことにジョン・レノンは彼の楽曲がたいそうお気に入りの様子で、『Slow Down』(1964年に4曲入りEP「Long Tall Sally」の中の1曲としてリリースされ、その後、『Past Masters Vol.1』に収録)、「Dizzy Miss Lizzy」(1965年の『Help!』に収録)などをカヴァーしていました。


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