好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Bruce & Terry - THE BEST OF BRUCE & TERRY

連日の猛暑でかなり頭のほうがおかしくなりかけています。暑い夏の日々が続くとなれば、やはりザ・ビーチ・ボーイズ。彼らの音楽で暑気払いをいたしましょう。

The Best Of Bruce & TerryThe Best Of Bruce & Terry
(1998/08/07)
Bruce & Terry

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1. Hawaii (Previously Unissued)
2. Summer Means Fun
3. Come On, Let's Go (The Rogues)
4. Carmen
5. Don't Run Away
6. Custom Machine
7. I Love You Model 'T'
8. Raining In My Heart
9. Everyday (The Rogues)
10. Roger's Reef (The Rogues)
11. Yeah!
12. Thank You Baby
13. Girl, It's Alright Now
14. Roger's Reef, Part Two (The Rogues)
15. Halfway (Previously Unissued)
16. Come Love
17. Four Strong Winds
18. Help Me Rhonda (Previously Unissued)
19. Look Who's Laughing Now (Previously Unissued)
20. Here Comes Summer (Previously Unissued)

冒頭でさもビーチ・ボーイズを扱うような書き方をしました。実は、ビーチ・ボーイズ加入前のブルース・ジョンストンと後にザ・バーズのプロデューサーとして名を上げるテリー・メルチャーによるユニット、ブルース&テリーが今回のお題です。

ちなみに国内盤のジャケットはこの通り。こちらのほうが涼しそうですね。

ベスト・オブ・ブルース&テリー(紙ジャケット仕様)ベスト・オブ・ブルース&テリー(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
ブルース&テリー

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ブルース・ジョンストンは1942年6月27日、イリノイ州シカゴに生まれました。その後ロサンゼルスに転居し、10代の頃よりプロとして音楽活動を開始。1958年頃から幾つかのバンドで何枚かのシングル盤をリリースしています。また、この時期にはセッション・プレイヤーの経験を積み、同時にプロデュース業にも手を染めるようになりました。そうしたセッションを通じ、ブルース&テリーというデュオを組んでアーウィン・レコードに所属していた頃にブルース・ジョンストンは女優であり歌手でもあるドリス・デイの息子で後にザ・バーズのプロデューサーとして名を馳せるテリー・メルチャーと知り合います。このアーウィン・レコードはドリス・デイの再婚相手でテリー・メリチャーの継父にあたるマーティー・メルチャーが興したレコード会社でした。
テリー・メルチャーは1942年2月8日生まれ。幼き頃から音楽やショー・ビジネスの世界を肌で感じたテリーはその才能を早くに開花。親の七光りもあったのか、CBSと契約して1962~63年頃にテリー・デイの名で数枚のシングルをリリースしています。しかし、鳴かず飛ばずに終わり、A&R/プロデューサーの道へと進み修行を積むことになりました。
ブルース・ジョンストンもテリー・メルチャーも1942年生まれ。同年代ということも手伝って意気投合した二人は親交を深めて行き、サーフィン/ホット・ロッドの楽曲を共同でプロデュースするようになります。1963年にホット・ドガーズ名義でインスト曲中心のアルバム『Surfin' USA』を発表。同年8月にはブルース・ジョンストンのソロ・アルバム『Surfin' Round The World』をリリースしました。さらにはテリーが制作を担当していたバンド、リップ・コーズにブルースを参加させ、腕利きのミュージシャンらも動員してレコーディング。バンドをテリーとブルースに乗っ取られたかの如く、実際のリップ・コーズはライヴでの演奏のみをする存在となり果てたのです。

ブルース・ジョンストンの「surfin' Round The World」



サーフィン・ラウンド・ザ・ワールド(紙ジャケット仕様)サーフィン・ラウンド・ザ・ワールド(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
ブルース・ジョンストン

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ザ・リップ・コーズの「Hey Little Cobra」。



ヘイ・リトル・コブラ(紙ジャケット仕様)ヘイ・リトル・コブラ(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
リップ・コーズ

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こうした活動に飽き足らなかったのか、二人はブルース&テリーとして正式にデュオを組み、シングル盤を次々に発表して行きます。今回紹介する『THE BEST OF BRUCE & TERRY』は彼らがブルース&テリー名義でリリースしたシングルに未発表曲を加えた内容で1998年に発表されました。交流のあるビーチ・ボーイズのカヴァー、ホット・ロッド/サーフィン、ソフト・ロック風の楽曲などで構成されています。

当時はダンヒル・レコードのスタッフ・ライターだったスティーヴ・バリ&P.F.スローン共作による「Summer Means Fun」。1964年6月発表。


作者であるスティーヴ・バリとP.F.スローンらによって結成されたザ・ファンタスティック・バギーズのヴァージョンは1964年にリリースの『Tell 'Em I'm Surfin'』に収録。このグループはライヴ演奏をしないスタジオ・プロジェクトでした。
http://www.youtube.com/watch?v=tjA4QkBtLkc

ブルース・ジョンストンとマイク・ラヴの共作による「Don't run away」。現在この二人が中心となってビーチ・ボーイズの活動が継続されていますが、昔から気が合っていたことを窺わせるようです。


DON'T RUN AWAY
逃げないでくれ
逃げないでくれ
逃げないでくれ
ようやく君は戻って来た
もう過ぎたことは忘れよう
でも俺が求める愛はどこにあるのだろう
でも俺と一緒にいる時の君の様子
君といるべきだった誰かの影が
二人が出会う以前の遠い過去に見える
彼が手に入れたのは君の愛だけ
そして君の見かけ
何かが俺だけのために残されていた
君といるはずだった誰かのために

君をからかう理由はない
とうとう君を手に入れた
ずいぶん長く待ったものだ

今なお 君の中で
何かが俺だけのために手つかずのまま
でも君といるべきだった誰かの影が
逃げないでくれ
逃げないでくれ
逃げないでくれ

ロックン・ロール創成期に活躍したバディ・ホリーの「Everyday」。この曲をブルース&テリーはローグスというバンド名でリリースしていました。


バディ・ホリーのヴァージョンは1958年リリースの『Buddy Holly』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=GMezwtB1oCU

クレイトン=メイン=モラン作の「Look Who's Laughing Now」。完成度が高い作品なのにお蔵入りしていたのが不思議です。あまりにもビーチ・ボーイズを彷彿とさせるので敬遠されたのでしょうか。


ジェリー・ケラー作の「Here Comes Summer」。


ジェリー・ケラー自身のヴァージョンは1959年にリリース。全米では14位ながらもUKチャートでは1位を獲得しました。
http://www.youtube.com/watch?v=4ijjDlbcI9w

そのためかイギリスのアーティストによるカヴァーが多いようです。クリフ・リチャードはさっそく取り上げて、1959年11月リリースのアルバム『Cliff Sings』に収録していました。
http://www.youtube.com/watch?v=MBAVPW_g_lE

デイヴ・クラーク・ファイヴのヴァージョンは1970年6月にリリース。
http://www.youtube.com/watch?v=JwDu3Zr5Fnw&feature=related

この他にもビーチ・ボーイズの「Hawaii」(1963年の『Surfer Girl』収録)、「Custom Machine」(1963年の『Little Deuce Coupe』に収録)、「Help Me Rhonda」(1965年の『The Beach Boys Today!』、『Summer Days(and Summer Nights!!)』に収録)、バディ・ホリーとともに飛行機事故で散ったリッチー・ヴァレンスの「Come On, Let's go!」、ニック・デカロ作の「Carmen」、バリー・マン&シンシア・ウェイル作の「Girl, It's Alright Now」、ニール・ヤングやジョン・デンバーもレコーディングしたフォーク・ロックの名曲「Four Strong Winds(風は激しく)」(イアン・タイソン作)など興味深い選曲がなされていました。

ブルース・ジョンストンは前述したように今もマイク・ラヴとともにビーチ・ボーイズとして活躍。テリー・メルチャーは2004年11月19日に皮膚がんにより残念ながら他界しています。また、ブルースはビーチ・ボーイズを一時脱退していた1970年代の半ば、テリーとともにイクィノックス・プロダクションを立ち上げ、ビル・ハウスの『Give Me A Break』、バリー・マンの『SURVIVOR』(1975)、テリー自身のソロ・アルバム『Royal Flush』(1976)などの制作を行いました。
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The Lovin' Spoonful - Daydream

今回もリンダ・ロンシュタットの記事を続けたかったのですが、それではあまりにも芸がないような気がしたので何の脈絡もなくラヴィン・スプーンフルが1966年に発表したセカンド・アルバム『Daydream』を取り上げます。連日のうだるような暑さで意識がもうろう。頭の中はほぼ白昼夢に陥った状態といえるでしょう。

DaydreamDaydream
(2008/03/01)
Lovin Spoonful

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1. Daydream
2. There She Is
3. It's Not Time Now
4. Warm Baby
5. Day Blues
6. Let the Boy Rock and Roll
7. Jug Band Music
8. Didn't Want to Have to Do It
9. You Didn't Have to Be So Nice
10. Bald Headed Lena
11. Butchie's Tune
12. Big Noise from Speonk

1965年にリリースされたデビュー作『Do You Believe In Magic』が全米32位まで上昇し、シングル・カットされた表題曲が9位となるヒットを記録して早々と成功をつかみ取ったラヴィン・スプーンフル。その余勢を駆って彼らはセカンド・アルバム『Daydream』のレコーディングを始めます。前作はトラッドや他のアーティストのカヴァー曲が多かったのですが、質の高い独自性を求められる時代の傾向に呼応するかのようにオリジナル作品中心の構成へと様変わりして行きました。
楽曲に多様な音楽の要素が含まれたスプーンフル独特の音楽。歌詞には人間関係の機微、心理描写、風刺などが溢れ、たんなる惚れたはれたのラヴ・ソングに終始せぬところが他者と一線を画した彼らの魅力の一端です。すべてジョン・セバスチャン単独、あるいはメンバーとの共作であり、彼がいかに優れたソング・ライターであったかを如実に物語っていました。

ジョン・セバスチャン作の「Daydream」。今でもよくCMなどに使用されているので、聴いた憶えのある方も多々おられることでしょう。


DAYDREAM
真っ昼間から夢を見るにはもってこいの日
ああ 昼間から夢を見るには打ってつけの日さ
俺は我を忘れて白昼夢に浸り
楽しい夢を幾つも見ている

たとえ好機に恵まれなくとも
外へ散歩に出かけるような日もあるってもんだ
俺は風に吹かれ お陽さまにあたりながら散歩する
そして誰かが刈ったばかりの芝生に顔から倒れ込むのだ

ずっと素敵な夢を見ている
今朝目覚めてからずっとさ
その主役は俺と夢のように素敵なあの娘
こんな気持ちのさせたのはあの娘の仕業

たとえ好機がすり抜けて行き
代償を払うはめになると人は言うけどまったくかまわない
道を踏み外した報いは明日にでも受けるさ
寝ぼけたウシガエルのようなこの顔に
パイをぶつけられるのだ

もし気分が良ければ
夜になっても白日夢を見ていられるさ
明日の朝食の際には耳をそばだてるかもしれない
あるいは千年に渡って白日夢を見続けるかもしれない

真っ昼間から夢を見るにはもってこいの日
ああ 特別にあつらえたような一日さ
俺は我を忘れて白昼夢に浸り
楽しい夢を幾つも見ている

なお、"Prick up your ears" は「耳をそばだてる。聞き耳を立てる」という意味ですが、スラングではかなりきわどい表現となります。申し訳ございませんが、興味のある方はご自分で調べていただければ幸いです。

TV番組に出演した際の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=pDDB0cRZ7NU

もともとはストレートな8ビートに仕上げようと試みていたようですが、思ったようにいかず断念。見かねたプロデューサーのエリック・ジェイコブセンが、レコーディングした様々なテイクを繋ぎ合わせて完成させたという裏話があります。

ジョン・セバスチャンとザル・ヤノフスキーの共作「It's Not Time Now」。メンバー自らが「ジョニー・キャッシュ・チューン」と呼ぶカントリー・タッチの楽曲です。何となくマイク・ネスミスを彷彿させるような気がしました。


ジョン・セバスチャン作の「Warm Baby」。セバスチャンが弾くオートハープの音色とファルセットのコーラスが印象的な曲です。「夏に出会った女たちはキスをして逃げて行ってしまうが、冬に知り合った女たちは愛に満ちた腕で暖めてくれる」と優しい女性を求める内容が歌われていました。
http://www.youtube.com/watch?v=J1E4fgRvHMg

ジョン・セバスチャンとジョー・バトラー共作の「Let the Boy Rock and Roll」。歌詞の中で、「でもパパ、あの子をリトル・ボーイなんて呼んじゃ駄目よ。彼はジョニー・B・グッドになれるかもしれないんだから」とチャック・ベリーをリスペクトする気持ちが表されていて興味深く感じました。
http://www.youtube.com/watch?v=ClxlLhlGs-E

ジャグ・バンド出身であるジョン・セバスチャン作の「Jug Band Music」。「熱気でぶっ倒れそうになった。医者がやって来て俺の最期を看取ろうとした。しかし、医者が言うには『ジャグ・バンド・ミュージックを与えなさい。そうすれば回復するように思える』とのこと」との趣旨の寓話めいた詞が楽しい曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=i8Gu-rBKXPc

ジョン・セバスチャン作の「Didn't Want to Have to Do It」。恋の駆け引きに長けた女性との関係が描かれた内容の歌で、辛い気持ちが醸し出されたような物悲しさが漂っていました。少々バッファロー・スプリングフィールドを連想させるようなサウンドです。
1967年頃、リード・ギター担当のザル・ヤノフスキーがしばしばライヴで穴をあけることがあり、その際スティーヴン・スティルスが代役を務めたことが知られております。そのことはたんなる急場しのぎや友情によるものではなく、ジョン・セバスチャンは二人のギタリストの間に共通するものを感じていたのかもしれません。


キャス・エリオットによるカヴァー・ヴァージョン。2006年リリースの『Here's A Song (You Might Have Missed): Great Record Finds』なるコンピレーション・アルバムに収録されているようですが、詳細はよく分かりません。
http://www.youtube.com/watch?v=4RA3ZowJIMc

セカンド・アルバムに先駆けてリリースされ、全米10位のヒットを記録した「You Didn't Have to Be So Nice」。ジョン・セバスチャンとスティーヴ・ブーン共作の明るい曲で、「そんなに優しくしてくれなくてもよかったのに/どちらにしたって君を好きになってたはずだから」と自信ありげな様子が歌われています。でも案外、男のやせ我慢かもしれません。


TV番組出演時の映像です。


ジョン・セバスチャン自身がギターを手にして演奏法を解説する珍しい映像。
http://www.youtube.com/watch?v=VMrYchFRaCo

時間が宜しければ、ここからは3曲続けてお聴きください。最初にこのアルバム唯一のカヴァー曲「Bald Headed Lena」。ビートルズがカヴァーした「Mr. Moonlight」のファースト・リリースで知られるDr. Feelgood & The Interns」のアルバムに収録されていた曲です。次は、ジョン・セバスチャンとスティーヴ・ブーン共作の「Butchie's Tune」。最後はメンバー全員の作であるインストゥルメンタル「Big Noise from Speonk」でアルバムの幕が閉じられます。
http://www.youtube.com/watch?v=Is242N_5VtU

このアルバムは全米10位まで上昇し、ラヴィン・スプーンフルの人気を決定づけるものとなりました。彼らの持つ泥臭いルーツ・ミュージックを都会的で洒落たサウンドに仕立てる魔法のようなセンスやグルーブ感が、当時のリスナーの耳と心をとらえていたのです。しかし、いまとなってはそんな出来事もアメリカ音楽界における一日限りの夢のようなものだったのかもしれません。

Linda Ronstadt - Prisoner In Disguise (Side-B)

前回はリンダ・ロンシュタットのアルバム『Prisoners In Disguise』の前半、LPレコード時代でいうA面のナンバーを取り上げましたが、今回はその続きで、後半であるB面に収められた楽曲を紹介します。

哀しみのプリズナー(紙ジャケット)哀しみのプリズナー(紙ジャケット)
(2010/07/07)
リンダ・ロンシュタット

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1. Love Is A Rose
2. Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox
3. Roll Um Easy
4. Tracks Of My Tears
5. Prisoner In Disguise
6. Heat Wave
7. Many Rivers To Cross
8. The Sweetest Gift
9. You Tell Me That I'm Falling Down
10. I Will Always Love You
11. Silver Blue

まずは1963年に全米4位を記録したマーサ&バンデラスのヒット曲「Heat Wave」。先の「Tracks Of My Tears」といい、リンダがモータウン・ナンバーを2曲も取り上げているのは彼女の趣味が反映されたものか、それともプロデューサーであるピート・アッシャーのアドヴァイスを受けた選曲によるものかよく分かりません。リンダのヴァージョンもシングル・カットされて全米5位まで上昇しました。


1976年のドイツ公演のライヴ映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=S6nEK7RgDsI

1977年のアトランタ公演のライヴ映像も宜しければご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=q6ATLHGexr8

マーサ&ザ・バンデラスのヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=lfJGZzf8kRw

The Whoのカヴァー・ヴァージョンも有名です。1966年リリースのアルバム『A Quick One』に収録されていました。これはドイツのTV番組「beat-club」出演時の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=5k3gF_rqzuQ

ジミー・クリフ作の「Many Rivers To Cross」はYouTubeに音源・映像がないため割愛させていただきます。レゲエが席巻し始めていた1970年代。この曲はボブ・マーリーと並びそのブームの立役者のひとりであったジミー・クリフの代表曲で、映画『The Harder They Come』(1972年公開)の挿入歌としても使われていました。

エミルー・ハリスをデュエット・パートナーに迎えた「The Sweetest Gift」。ミシシッピ州出身の教師で数々のゴスペル作品を残したJ.B.コーツの作です。「獄中の息子に母が贈ったものは心に残る微笑み。母は苦しみから解放されて天に召された」と歌われていました。今回はドリー・パートンを加えたライヴ映像でお楽しみください。


アンナ・マッガリグル作の「You Tell Me That I'm Falling Down」。ノスタルジーを感じさせながらも色褪せない雰囲気が漂うケイト&アンナ・マッガリグルの楽曲には郷愁を誘うような牧歌的な佇まいも感じ取れます。ギターはジェイムズ・テイラー。フィドルはデヴィッド・リンドレー、バック・ヴォーカルにはマリア・マルダーが参加。


少々映像が悪いのですが、リンダ・ロンシュタット、マリア・マルダー、ケイト&アンナ・マッガリグルが1984年に共演したライヴ映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=i26E_5m4Tt8

今となってはすっかりホイットニー・ヒューストンの代表曲となってしまった感のあるドリー・パートン作の「I Will Always Love You」。


I WILL ALWAYS LOVE
私がここにいたら
あなたの邪魔になるだけ
だから私は去るわ
だけど道を歩みながらいつまでもあなたを想い続けるわ
私はいつもあなたのことを愛している
いつまでもあなたのことを愛している

甘くほろ苦い思い出を
この身ととともに持って行くことにするわ
さようなら
泣いたりなんかしないでね
お互いに分かっているはず
あなたに必要なのは私じゃないってことを
だけどいつもあなたを愛している
いつまでもあなたを愛しているわ

”I will always love you” という言葉から「いつも傍らにいて愛し続ける」といったイメージで捉えがちですが、ご覧のようにこの歌は別れの歌であり、不倫関係の清算をもにおわせています。ホイットニー・ヒューストンによって大ヒットしたおかげか、昨今では結婚披露宴で新郎新婦へのはなむけにこの歌が歌われたりBGMに使われたりしていると耳にしたことがありますが、内容を鑑みると適切な選曲ではないでしょう。でも、嫉妬心からわざと仕掛けるような人がいるかもしれませんね、

ドリー・パートンのヴァージョンでは下記のようなセリフが挿入されています。

あなたに人生の苦難が降り掛からないことを祈るわ
そしてかつてあなたが夢見ていたことがすべてが叶いますように
あなたに喜びと幸福が幾つも訪れますように
だけど何よりもあなたが愛に満たされていることを願う

ドリー・パートン、バート・レイノルズ主演の映画『The Best Little Whorehouse in Texas』(1982年制作)の主題歌としてレコーディングされたヴァージョン。映画は劇場未公開とのことです。
http://www.youtube.com/watch?v=NuZO1iT4kD0

映画の一場面。
http://www.youtube.com/watch?v=_utP1mGoutQ

1974年リリースの『Jolene』に収録されていたものがオリジナル・ヴァージョンのようです。
http://www.youtube.com/watch?v=XHw62eZpHk4

ホイットニー・ヒューストンのヴァージョンは彼女とケヴィン・コスナーが共演した映画『The Bodyguard』(1992)のサウンドトラック盤に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=19rC-Fl-KwM

メリサ・エスリッジのヴァージョンはアリソン・クラウス、シャナイア・トゥエイン、ノラ・ジョーンズらも参加したドリー・パートンのトリビュート・アルバム『Just Because I'm a Woman - Songs of Dolly Parton』(2003年発表)に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=ZqQP_MUfIY0

J.D.サウザー作の「Silver Blue」。"Loving you.../I'm a fool for trying/'cause I get so blue(あなたを愛するなんて/私もお馬鹿さんね/こんなに辛い想いをして)"とこの曲にも別れが暗示されています。当時リンダとJ.D.が恋愛状態にあったことはよく知られていますが、先の「I Will Always Love You」などと合わせて考えてみると既に破局へと向かっているようにも受け取れました。なお、途中から重なる歌声はJ.D.本人です。


J.D.のヴァージョンは彼のセカンド・アルバム『Black Rose』(1976)に収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=sxYe3kngXtg

前作のように全米1位とはいきませんでしたが、このアルバムは全米4位まで上昇しました。リンダ・ロンシュタットが着実にアメリカを代表するシンガーへの道を歩んでいることを証明した1枚と言えるでしょう。

Linda Ronstadt - Prisoner In Disguise

今回も引き続きリンダ・ロンシュタットさんに登場していただきます。お題は「Prisoner In Disguise」。彼女が1975年に発表した通算6作目のアルバムです。

哀しみのプリズナー(紙ジャケット)哀しみのプリズナー(紙ジャケット)
(2010/07/07)
リンダ・ロンシュタット

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1. Love Is A Rose
2. Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox
3. Roll Um Easy
4. Tracks Of My Tears
5. Prisoner In Disguise
6. Heat Wave
7. Many Rivers To Cross
8. The Sweetest Gift
9. You Tell Me That I'm Falling Down
10. I Will Always Love You
11. Silver Blue

1974年に発表された前作『Heart Like A Wheel』はシングル・カットされた「You're No Good」とともに全米1位に輝き、リンダ・ロンシュタットを一躍スターダムに押し上げました。このアルバム『Prisoners In Disguise』は前作の延長線上にあるものの、さらに表現力を増したリンダの逞しくたおやかな歌唱が全面に響き渡っています。また、女性らしい繊細な心づかいや情感あふれた様子が垣間見えることも見逃せません。
今作では心地よいカントリー風のアレンジを施した楽曲が幾つかありますが、これを境に暫く減少傾向を辿ります。前作の大ヒットによってポップ路線に舵を切り始めたことが正しかったと判断したのでしょうか、有名な曲にも臆することなく堂々と臨むリンダの歌声には自信がみなぎっているようにも受け取れました。

アルバムのオープニング・ナンバーはニール・ヤング作の「Love Is A rose」。ライブ映像をご覧ください。まずは1977年のアトランタでのステージから。


続いて1976年のドイツ公演のライヴ映像。


LOVE IS A ROSE
恋は薔薇の花 だけど摘まないほうがよい
茎から離すと育たないから
掌に刺さった刺
摘み損なったことを思い知る
自分のものだと言ったとたんに
恋しい人を失う

見たことのないものを見たい
昔ながらの夢に生きたい
おいでよ 恋しい人 一緒に行こう
いま最良のものを手に入れよう

踊りに行きたい なつかしのホーダウン
昔ながらの西部の町
足を引きずっていたら拾ってね
乗せてくれたら荷馬車に干し草を積んだげる

恋は薔薇の花

ニール・ヤング自身のヴァージョンは1974年に発売が見送られた幻のアルバム『Homegrown』(1974)に収録される予定でしたが、結局1977年のアンソロジー・アルバム『Decade』で陽の目を見ました。今回はライヴ音源をお聴きくだされば幸いです。
http://www.youtube.com/watch?v=yQmXDwyxwCo

ナナ・ムスクーリも『Rose & Sunshine』(1979)で取り上げていました。クラシックの素養のある卓越した歌唱力を誇る彼女はジャンルに関係なく幅広いレパートリーを持っています。
http://www.youtube.com/watch?v=44FT7IpMarg

次はジェイムズ・テイラー作の切ないバラード「Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox」。スティール・ギターはダン・ダグモアが弾いています。
http://www.youtube.com/watch?v=29AL76lEfvA

JTのオリジナル・ヴァージョンは『Mud Slide Slim』(1971)に収録。今回はライヴ音源でお聴きください。
http://www.youtube.com/watch?v=jjiPr1jxVZ4

ローウェル・ジョージ(リトル・フィート)作の「Roll Um Easy」。ある男が放浪の旅に果てにヒューストンで出会った女に惚れ込んだという内容の歌です。スライド・ギターには当然の如くローウェル・ジョージが参加。オリジナル・ヴァージョンはリトル・フィートの『Dixie Chicken』(1973)に収録。


スモーキー・ロビンソン、メリー・タープリン、ウォーレン・ムーア作の「Tracks Of My Tears」。


こちらは1976年のドイツ公演の映像です。


Tracks Of My Tears
私はパーティーには打ってつけの賑やかな人だとみんなが言うの
そりゃジョークのひとつやふたつは言うわ
どんなに大声で楽しそうに笑っていても
心の奥底はブルーなのよ

私の顔をよく見て
笑顔が不自然だってわかるでしょ
傍に寄れば気がつくはず
私の涙の跡が

あなたが必要
あなたがいないと駄目なの

あなたが私のもとを去り
私が他の男と一緒にいて
楽しそうにしているのを見たとしても
その人はどんなに素敵なひとでもただの代役
あなたが永遠唯一の人なの

外観は仮面を付けて華やかに装い
心の内面では希望が薄れて行く
あなたが私を落ち込ませてから
私はただの道化師 
私の笑顔は作り物
あなたと別れてからずっとそうなのよ 

ボブ・ディランをして「20世紀最高の詩人のひとり」と言わしめたスモーキー・ロビンソン。スモーキー・ロビンソン&ミラクルズのオリジナル・ヴァージョンは1965年に全米16位のヒットを記録しています。
この曲はオリヴァー・ストーン監督の映画『Platoon』(1986年公開)の挿入歌に使われました。明日は最前線でベトコンとの戦闘が待ち受ける米兵たちが、酒やドラッグで気を紛らわし一夜の快楽に耽るというシーンで流されていたのです。映画には無抵抗の民間人への虐殺、米兵の麻薬汚染などヴェトナム戦争の真実の姿とともに、ストーン監督自身の分身であるクリス(チャーリー・シーン)、冷酷非情なバーンズ軍曹(トム・ベレンジャー)、正義感の強いエライアス軍曹(ウィレム・デフォー)らの人間模様が描かれていました。
http://www.youtube.com/watch?v=3M1TvaWkC0w&feature=fvsr

この曲は多くのアーティストに取り上げられ、カヴァー・ヴァージョンは数知れず。宜しければ下記のURLをクリックしてお楽しみください。
まず、ジョニー・リヴァース。1967年にリリースされて全米10位まで上昇しました。アルバム『Rewind』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=yQbc-Q113Gw

続いてグラディス・ナイト&ザ・ピップス。1968年発表の『Silk N' Soul』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=NbThNfqaoR4

次は大御所ディーン・マーティン。1970年発表。
http://www.youtube.com/watch?v=OjNWU-pCdn0

続いてはスティーリー・ダンやドゥービー・ブラザーズで活躍したマイケル・マクドナルド。2005年発表の『Motown 2』に収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=k2R5cQxKj3U

リンダ・ロンシュタットの盟友ドリー・パートンも2008年の『Backwoods Barbie』で歌っていました。
http:///www.youtube.com/watch?v=qs2lQb_Opbs

1993年にエルヴィス・プレスリーの「Can't Help Falling Love(好きにならずにいられない)」(アルバム『Promises And Lies』に収録)のカヴァーで全米1位を獲得したさせたイギリスのレゲエ・ボップ・バンドのUB40もこの曲をレコーディングしています。2010年のアルバム『Labour Of Love 4』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=KSNggBwN9rc

J.D.サウザー作の表題曲「Prisoner In Disguise」。囚われ人のように態度をはっきりさせない恋人に業を煮やすといったけなげな様子が歌われていました。前回扱った「Don't Cry Now」と同じく、J.D.が書いた楽曲をアルバムのタイトルにしていることからも二人の関係が濃密であったと窺い知れそうです。ハーモニーとアコースティック・ギターはJ.D.が担当。アンドリュー・ゴールドがピアノを弾いていました。
http://www.youtube.com/watch?v=syr-wOMxvtc

お気に入りのアルバムを取り上げたために熱が入り過ぎて、自分勝手な思いをだらだらと書いてしまいました。今回はレコード時代でのA面の曲でひとまず終了し、次回にB面を紹介します。

Linda Ronstadt - Don't Cry Now

前回はJ.D.サウザーに登場していただきましたが、その流れで今回はリンダ・ロンシュタットを取り上げることにしました。お題は『Don't Cry Now』。彼女がアサイラム・レコード移籍第一弾として1973年にリリースしたアルバムです。

ドント・クライ・ナウ(紙ジャケット)ドント・クライ・ナウ(紙ジャケット)
(2010/07/07)
リンダ・ロンシュタット

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1. I Can Almost See It
2. Love Has No Pride
3. Silver Threads And Golden Needles
4. Desperado
5. Don't Cry Now
6. Sail Away
7. Colorado
8. The Fast One
9. Everybody Loves A Winner
10. I Believe In You

このアルバムのメインのプロデューサーはJ.D.サウザーですが、曲によってジョン・ボイランやピーター・アッシャーの名が記されています。レコード会社を移籍し、これまでリンダを公私に渡って支えて来たジョン・ボイランからピーター・アッシャーにマネージャーが交代する過渡期であったために起こった事態かと思われますが、そうした影響は及ぶことなくアルバム全体の統一感は損なわれておりません。
若さにまかせたような一本調子な面が消え、情感を込めて繊細に歌うリンダ・ロンシュタット。たおやかさも感じ取れます。こうした変化はジョン・ボイランからJ.D.サウザーに恋のパートナーが替わったことも関係しているのでしょうか。

アルバムのオープニング・ナンバーを飾る「I Can Almost See It 」(J.D.サウザー作)はYouTubeに映像・音源がないため割愛させていただきます。ジミー・ファッデン(NGDB)のハーモニカが印象的なカントリー・タッチのこの曲はJ.D.がプロデュースのみならずアコースティック・ギターとベースまで担当していました。スティール・ギターにスヌーキー・ピート(元フライング・ブリトゥー・ブラザーズ)、ピアノにスプーナー・オールダム、エレクトリック・ギターにジェリー・マッギーという豪華メンバー。愛する女性のために張り切るJ.D.の姿が映し出されているような気がします。

二曲目はエリック・カズとリビー・タイタス共作の「Love Has No Pride」。リンダの本領が発揮されたカントリー・ロッックに仕上げられています。プロデュースとピアノはジョン・ボイラン。スティール・ギターはスヌーキー・ピートが担当していました。
続いて、「Silver Threads And Golden Needles」。プロデュースはジョン・ボイランとJ.D.サウザー。バック・ヴォーカルにハーブ・ペダーセンが参加。以前紹介したリンダのファースト・ソロ・アルバム『Hand Sown... Home Grown』にも収録されていた曲の再演です。ワンダ・ジャクソンのヴァージョンがオリジナルのようですが、ダスティ・スプリングフィールドが在籍していたスプリングフィールズが1962年にヒットさせました。
ブログへの貼付けが出来ないのでこの二曲は下記のURLをクリックしてご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=UWN2CPLftF0

リビー・タイタスが歌う「Love Has No Pride」は1977年リリースの『Libby Titus』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=jSQ9te0qvaI

何の説明の必要もないイーグルスのナンバー「Desperado」。プロデュースとギターはJ.D.サウザー。ピアノはスプーナー・オールダム。ベースはクリス・エスリッジ。彼らの演奏とゴスペル風のコーラスによるおかげか、イーグルスのヴァージョンよりもソウルフルな感触を感じ取れました。


DESPERADO
向こう見ずのあなた 目を覚ましたらどうなの
ずっと長い間どっちつかずのまま
ああ 困った人ね
あなたなりの理由があるんでしょう
あなたを楽しませていることが
自分自身を傷つける日が来るわ

ダイヤのクイーンは引かないで
もしかしたら酷い目に遭うわよ
最良の選択はハートのクイーンだって分かってるのに
あなたの目の前のもの
結構いい手に見えるわ
でもあなたは手に入らないものを欲しがるだけ

向こう見ずのあなた 若さは取り戻せないでしょ
心身の痛みと満たされぬ思いから安楽を得たいはず
それに自由 ああ自由と
そんなことを誰もが口にしている
あなたはたったひとりでこの世を渡る囚われの身ね

冬になっても弱気にならないで
空からは雪も降らず 陽も照らない
昼と夜の区別をつけるのも困難
気持ちの高ぶりも落ち込みもなくし
感情が消え去ることを楽しんでいるの

向こう見ずのあなた 正気を取り戻して
どっちつかずはもうやめて 心を開いて
今は雨でも あなたの頭の上には虹が掛かっているわ
あなたは誰かに愛されることが必要
誰かに愛されて 誰かに愛されて
手遅れになる前に

"Desperado" とは19世紀のアメリカ西部の無法者のことですが、現代に生きる女性の視点を考慮して「向こう見ずの困ったさん」という風に訳してみました。イーグルスのヴァージョンでは弄ばれ自暴自棄に陥った失意の親友を思いやるようなイメージが頭に浮かびますが、リンダが歌う「Desperado」は何事にも満足せずにダイヤのクイーンのような美しくも刺のある女に翻弄されて深みにはまって行く元カレを励まし見守るような雰囲気が窺えます。最後には女性のほうから一緒にやり直すことを提案しているようにも受け取れました。こんな駄目男は母性本能をくすぐる場合もあるようですが、愛想を尽かされるほうが多く、実際に寄りを戻すなんて滅多に起こらないことかもしれません。

ネルソン・ラドル・オーケストラとの共演映像です。


イーグルスのヴァージョンは1973年リリースの『Desperado』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=7lidn3qrrCU

カーペンターズも1975年発表の『Horizon』で取り上げていました。
http://www.youtube.com/watch?v=KKpLI7aiKrg

J.D.サウザー作の表題曲「Don't Cry Now」。プロデュースはJ.D.が担当。ギターにラリー・カールトン、ピアノはスプーナー・オールダム、ベースにクリス・エスリッジ、バック・ヴォーカルにウェンディ・ウォルドマンといった布陣が配されています。
http://www.youtube.com/watch?v=-Bpx1X3TTOI

黒人奴隷を船に乗せ、新大陸アメリカを目指して就航した移民を歌ったランディ・ニューマン作の「Sail Away」。プロデュースはピート・アッシャー。ギターはラリー・カールトン。スティール・ギターはスヌーキー・ピート(元フライング・ブリトゥー・ブラザーズ)。クレイグ・ダーギ(ピアノ)、リー・スクラー(ベース)、ラス・カンケル(ドラムス)らセクションの面々も駆けつけていました。


ランディ・ニューマンのオリジナル・ヴァージョンは『Sail Away』(1972)に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=chaP4MCXp4w

フライング・ブリトゥー・ブラザーズで活躍したリック・ロバーツ作の「Colorado」。リック自身もアコースティック・ギターで参加しています。スティール・ギターはスヌーキー・ピート。プロデュースはジョン・ボイラン。
叙情的なリンダの歌声が胸を打ちます。


リック・ロバーツが歌うフライング・ブリトゥー・ブラザーズのヴァージョンは1971年リリースの『The Flying Burrito Bros』に収録。
http:///www.youtube.com/watch?v=dPpnvNlywP8

J.D.サウザー作の「The Fast One」。彼のファースト・アルバム『John David Souther』(1972)にも収録されてた曲です。こちらもプロデュースはもちろんJ.D.サウザー。アコースティック・ギターをJ.D.サウザー、エレクトリック・ギターをグレン・フライ(イーグルス)、ベースをクリス・エスリッジが担当していました。
http://www.youtube.com/watch?v=Ef_ziJLWxzo

ウィリアム・ベルとブッカー・T・ジョーンズ共作の「Everybody Loves A Winner」。ウィリアム・ベル本人のヴァージョンは1967年リリースの『Everybody Loves A Winner』に収録。カントリー風にアレンジされているものの、こうした選曲はリンダのR&B/ソウルへの興味が窺えるような気がします。プロデュースはジョン・ボイランとJ.D.サウザー。リタ・クーリッジもアルバム『The Lady's Not For Sale』(1972)の中で取り上げていました。
http://www.youtube.com/watch?v=17F7gpJIdwc
ニール・ヤング作の「I Believe In You」。この曲もリタ・クーリッジが『Rita coolodge』(1971)でカヴァーしています。プロデュースはピート・アッシャー。ピアノをクレイグ・ダーギ、ベースをリー・スクラー、ドラムスをラス・カンケル。こちらもセクションの面々が参加。
なお、ニール・ヤングのオリジナル・ヴァージョンは『After The Goldrush』(1970)に収録されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=g3wDtNgm990


卓越した歌唱力と豊潤な歌声を持ったリンダ・ロンシュタット。他のアーティストが書いた作品の良さを理解し、その魅力を十二分に引き出すことの出来るシンガーです。と同時にどの曲も彼女のために書かれたと思わせるぐらいの個性もあわせ持っていました。現在のアメリカの音楽界はヴェテラン・アーティストにとって辛い状況が続いているようですが、近いうちに彼女の新曲が聴けることを望む次第です。

J.D.Souther - You're Only Lonely

前回扱ったカーラ・ボノフのアルバムに参加していた縁で、今回はJ.D.サウザーに登場してもらうことにしました。お題は彼が1979年に発表したアルバム『You're Only Lonely』からの表題曲です。

You're Only LonelyYou're Only Lonely
(2008/03/01)
J.D. Souther

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1. You're Only Lonely
2. If You Don't Want My Love
3. The Last In Love
4. White Rhythm And Blues
5. 'Till The Bars Burn Down
6. The Moon Just Turned Blue
7. Songs Of Love
8. Fifteen Bucks
9. Trouble In Paradise

相手に尽くそうとするひたむきなラヴ・ソング。「孤独に感じたり辛い時は俺の名を呼んでくれていい」と献身的な気持ちが表されており、「俺のもとを去ったおまえの名を呼ぶ」と感情的に歌ったザ・ビートルズの「I Call Your Name」とは正反対の趣が感じ取れました。

リンダ・ロンシュタットを始めとして数々の女性と浮き名を流したことで知られるJ.D.サウザー。彼の書くラヴ・ソングには嫉妬や憎悪が入り交じった複雑な恋愛感情が込められていることが多いのですが、この歌は極めてシンプルな思いが伝わってきます。当時、J.D.はどのような恋をしてこの曲を創作したのか、それとも失った恋人たちに対する反省の気持ちがわき上がって来て書き上げたものなのか、ともあれ、誠実で真心がこもった歌は恋愛対象となった女性のみならずリスナーの心までをも惹き付けるのかもしれません。
こんな優しい思いやりを持ったJ.D.の姿はほんの束の間の戯れか。アルバムの2曲目である「If You Don't Want My Love」では冒頭から「もしおまえが俺の愛を欲しくないのなら、おまえなしの道を行くだろう」と歌い出し、そして、「俺に出来ることは何もない」などと突き放しにかかっていました。こうした心変わりがいじらしく、却って人の心を捕らえて離さないと理解するのは乱暴でしょうか。個人的には恋人に心身を振り回されるのはご免被りたいところですが・・・・・・・。



YOU'RE ONLY LONELY
世界がおまえの小さな肩に
崩れ落ちようとし
そしておまえが孤独で
ちっぽけな存在と感じる時
おまえには抱きしめてくれる誰かが必要だ
俺の名前を呼んでくれていいぜ
おまえがひとりぼっちの時
恥ずかしく思わなくていい
おまえはただ孤独なだけなんだ

試練の辛い夜
誰かがおまえの側にいてほしい時は
俺のところへ来なよ
お前が女王のように振る舞っていた頃も
俺はその場にいたし
誰もが離れて行っても俺は最後まで残って
おまえの傍らにいた
おまえがひとりぼっちの時
恥ずかしく思わなくていい
おまえはただ孤独なだけなんだ

世界がおまえの小さな肩に
崩れ落ちようとし
そしておまえが孤独で
ちっぽけな存在と感じる時
おまえには抱きしめてくれる誰かが必要だ
俺の名前を呼んでもいいぜ
おまえがひとりぼっちの時
なあ 恥ずかしく思わなくていいのさ
おまえがひとりぼっちの時
おまえが孤独な時
それは罪ではない
俺たちには時間がたっぷりある
おまえはただ孤独なだけ
おまえはただ孤独なだけ
おまえは何も間違っていない
俺だって孤独になることもある
おまえはただ孤独なだけ
おまえはただ孤独なだけなんだ
だから俺を必要としているのなら
遠慮なく俺に声を掛けてくれればいい
お前はただ孤独なだけなんだ

日本でのライヴ映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=j0vucbsBizo

J.D.が歌う「You're Only Lonely」は中山美穂、織田裕二主演の映画『波の数だけ抱きしめて』(1991年公開)の挿入歌として使われ、これまでに拙ブログでも紹介したことのあるネッド・ドヒニーの「Each Time You Pay」やカーラ・ボノフの「Personally」などとともにサントラ盤に収録されています。
この映画は原田知世主演『私をスキーに連れてって』(1987)、『彼女が水着にきがえたら』(1989)に続くホイチョイ・プロダクション制作による三部作のひとつ。三作ともに大ヒットし、日本国内を席巻するほどのブームを巻き起こしました。原田知世さん主演の二作がバブル期の人間模様や生態を映し出していたと揶揄する声があるのに対し、1982年が舞台の『波の数だけ抱きしめて』は当時の若者像を等身大に描いたことでとりわけ評価が高いようです。また、『私をスキーに連れてって』がスキー、『彼女が水着にきがえたら』がスキューバ・ダイビング、『波の数だけ抱きしめて』がミニFM局といった具合に当時の流行アイテムを取り入れたこともヒットの要因になったのかもしれません。
しかし、これら三部作は関西ではまったくといってよいぐらい話題にならなかった印象が残っています。東西の文化の違いなのでしょうか。メディアで取り上げられているのをよく目にしましたが、私の周囲で会話のネタになることはありませんでした。


波の数だけ抱きしめて Kiwi FM ORIGINAL SOUNDTRACK(コンプリート版)波の数だけ抱きしめて Kiwi FM ORIGINAL SOUNDTRACK(コンプリート版)
(2010/06/23)
サントラシェリル・リン

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宜しければ映画『波の数だけ抱きしめて』の中で「You're Only Lonely」が流れるシーンをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=LGDzA1jsOjY

そう言えば、『波の数だけ抱きしめて』にはこの曲も収録されていました。ジェイムズ・テイラーとJ.D.サウザーのデュエットによる「Her Town Too」。


この曲は上記サントラとジェイムズ・テイラーが1981年に発表した『Dad Loves His Work』に収録されています。

Dad Loves His WorkDad Loves His Work
(2009/04/28)
James Taylor

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Karla Bonoff - Wild Heart Of The Young

しばらく男性アーティストが続いたので、今回は女性に登場してもらうことにしました。ご足労願う方はカーラ・ボノフ。彼女が1982年に発表した『Wild Heart Of The Young』を取り上げます。

Wild Heart of the YoungWild Heart of the Young
(1990/05/29)
Karla Bonoff

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1. Personally
2. Please Be The One
3. I Don't Want To Miss You
4. Even If
5. Just Walk Away
6. Gonna Be Mine
7. Wild Heart Of The Young
8. It Just Takes One
9. Dream

このアルバムのジャケットを初めて見たとき、可憐で清楚なカーラ・ボノフのイメージを崩すような姿に驚かされました。恋人役と思しき男性が横たわる傍でけだるそうにしているカーラを見ていると情事の後を連想させ、裏ジャケットに写された厚化粧のカーラの表情が艶かしく感じます。
この時カーラは既に三十路を過ぎた大人の女。様々な経験も積み、それなりの体験をしていて当然のこと。可憐で清楚というイメージはレコード会社が売り出すために作ったものか、リスナーが勝手に抱いたものでしかありません。

さて、肝心の音のほうはと言えばウエスト・コーストならではのものが醸し出されていました。シンプルなバックの演奏に支えられ、ミディアム・テンポのナンバーを歌い上げるといったもの。サウンド面では大きな変化がないものの、アコースティックな雰囲気がこれまでのアルバムよりも控えめなのは1982年頃の音楽の傾向が表されたものでしょう。危うげだったカーラの歌声もかなり安定しています。
プロデュースはケニー・エドワーズ。ギターはアンドリュー・ゴールド、ダニー・クーチ。ベースはボブ・グロウブ。ドラムスはラス・カンケル。キーボードはホーク・ウォリンスキ(ルーファス)、ビル・ペイン(リトル・フィート)といったウエスト・コーストを代表する面々が参加していました。

アルバムのオープニングは唯一の他人の作品であるソウル風のナンバー「Personally」(ポール・ケリー作)。シングル・カットされて全米19位まで上昇し、カーラ・ボノフ最大のヒットになりました。ドン・ヘンリーとティモシー・シュミットがバック・ヴォーカルを務めています。


PERSONALLY
あなたが行ってしまって以来
私は毎日手紙を書いている
電話で話していると
一晩中になってしまうように思えるの
あなたにあげたいものがあるわ
郵便屋さんでも届けられないものよ
手紙でも電話でも送れないし
近所の親戚にさえも頼めない
私が直接持って行くの
私が直接届けてあげる

ベイビー あなたに触れるだけで
今までこんな気分になったことはない
一晩中あなたといる時の
こんな気持ちはあなたには分からない
あなたにあげたいものがあるわ
郵便屋さんでも届けられないものよ
手紙でも電話でも送れないし
親しい友人にさえも頼めない
私が直接持って行くの
私が直接届けてあげる

あなたにあげたいものがあるわ
郵便屋さんでも届けられないものよ
手紙でも電話でも送れないし
親しい友人にさえも頼めない
私が直接持って行くの
私が直接届けてあげる

この曲は中山美穂、織田裕二主演の映画『波の数だけ抱きしめて』(1991年公開)の挿入歌として使われ、ネッド・ドヒニーやJ.D.サウザーの楽曲とともにサントラ盤に収録されています。


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(2010/06/23)
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どことなくイーグルスを思い起こさせるようでもあり、ブラック・コンテンポラリーの雰囲気も窺えるような曲調の「Please Be The One」。カーラ持ち前の憂いが感じ取れるもののそこはかとなく重苦しさが漂います。「私なら癒してあげられる/私のものにになって/私の甘い口づけがきっと欲しくなるはずよ」といった歌詞が出て来て少々どっきりさせらます。もっともこうした直接的な求愛も大人の女とすれば当然の感情でしょう。


切ないバラード曲、「Just Walk Away」。デヴィッド・サンボーンがサックスで花を添え、その音色が胸に迫ります。女性の視点で描かれる恋物語ですが、こうした場面に遭遇した場合、慰めようと単純に分かったふりをして共感や同情の意を表すことは禁物なのかもしれません。後で手痛い目に遭うものです。


JUST WALK AWAY
一つの愛に結ばれた人生は
作られた夢の出来事
遠く離れてしまった二つの心
音楽は踊り始める前に終わってしまった

さようなら どうか泣かないで
もはや話す言葉もない
時が傷ついた心を癒してくれる
私の愛はただ遠ざかって行くだけ

私たちは長い日々をともにいた
二人は同じ考えだとあなたは思っていたのね
あなたの愛は盲目 私は思いやりがない女と見えるのかしら
ああ 私のこの気持ち 変えられたらと思う

私の愛はただ遠ざかって行くだけ

軽快な曲調の「Gonna Be Mine」。"I'm gonna show you why / Why you're gonna be mine " 「何故あなたが私のものになるのか/理由を教えてあげましょう」という歌詞が妙に心に残ります。


失恋を後悔する内容の「Wild Heart Of The Young」。J.D.サウザーがバック・ヴォーカルで参加しています。


ウエスト・コースト・サウンドらしい明るい曲調ですが、歌の内容は信頼していた恋人に逃げられた心情が綴られる「It Just Takes One」。アンドリュー・ゴールドがキーボードを弾き、ジョー・ウォルシュがスライド・ギターを担当していました。


前述しましたが、皮肉にもアルバム唯一の他人の作品である「Personally」がシングル・カットされ、カーラにとって最大のヒット曲になりました。それでもアルバムのセールス自体は芳しくなくCBSとの契約を打ち切られてしまいます。結果的に1988年の『New World』まで6年という不遇の時を過ごすことになりますが、レコード会社の思惑による路線に乗って無理するよりも却ってそのほうが彼女にとって良かったのかもしれません。

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