好きな音楽のことについて語りたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Linda Ronstadt - Will You Love Me Tomorrow

 長々とリンダ・ロンシュタットのアルバム『Silk Purse』に関して、他愛もないことを語ってきましたが、今回で取り上げる「Are My Thoughts With You」と「Will You Love Me Tomorrow」でお開きにしたいと思います。

シルク・パース(紙ジャケット仕様)シルク・パース(紙ジャケット仕様)
(2014/08/27)
リンダ・ロンシュタット

商品詳細を見る



Best of the Capitol YearsBest of the Capitol Years
(2005/12/07)
Linda Ronstadt

商品詳細を見る


 ミッキー・ニューベリー作の「Are My Thoughts With You」。 原曲はR&B風のソウルフルなバラードですが、リンダのヴァージョンは少々カントリー・ロック調にアレンジされ、郷愁を誘うような雰囲気が漂っていました。


ARE MY THOUGHTS WITH YOU
私は自分に種をまいて
海のように大きく育てるつもり
木も何本か切り倒して
自分の島を作るわ

通りの曲がり角に立ち
市街電車を止めて
どこかに行って、彼に電話で尋ねるの
私の想いはどこにいったんだろうと

彼にはこう言うつもり
ねえ、私の想いはあなたとともにあるの?
どのくらいねじ曲がっているの?
あなたがいなくなってから
私は物事をまっすぐに考えられなくなったのよ

それで通じなかったら
私は花を育て
朝露の中に腰を下ろし
一時間おきに口づけをするわ

明かりを消して
夜を引きつけ
争いを止めて
飛び立つ準備をし
凧を捕まえましょう
何が正しいのか間違っているのかなんてどうでもいいこと
月に辿り着いたら
部屋を借り
暗闇の中でひとり座り込むの

私の想いはあなたとともにあると大声で叫ぶ
どのくらいねじ曲がっているの、ねえ?
あなたが私の元を去ってから
私は物事を素直に考えられなくなったのよ

 R&B風バラードのミッキー・ニューベリーのヴァージョン。ハイトーン・ヴォイスでけだるく歌う様子に男の哀感が滲み出ていて、何とも言えないやるせなさが心の奥底へ伝わってくるかのようです。
 ミッキー・ニューベリー(1940年5月19日 - 2002年月29日)はテキサス州ヒューストン出身のシンガー・ソング・ライター。10代の頃にドゥーワップのグループを組み、サム・クックやジョニー・キャッシュのオープニング・アクトとして活動。やがてソング・ライターを目指してナッシュヴィルに転じ、1966年には彼の書いた「Funny Familiar Forgotten Feelings」がトム・ジョーンズに取り上げられてヒットしたのを皮切りに、アンディ・ウィリアムスの「Sweet Memory」(1968年)、「Time Is A Thief」(1968年)、ケニー・ロジャース&ファースト・エディションの「Just Dropped In」(1968年)など提供した曲が次々とチャートの上位を駆け上がり、一躍注目を浴びることとなりました。ミッキー自身も68年にソロ・デビューを果たしておりますが、1971年にリリースしたアルバム『Frisco Mabel Joy』のオープニングを飾る「An American Trilogy」はエルヴィス・プレスリーのヴァージョンで知られることになり、アルバムのエンディングに収められた「San Francisco Mabel Joy」はジョーン・バエズ(1971年の『Blessed Are... 』)、ウェイロン・ジェニングス(1973年の『Lonesome, On'ry & Mean』)、ケニー・ロジャース(1978年の『The Gambler』)、ジョン・デンヴァー(1981年の『Some Days Are Diamonds』)らのアルバムに収録されています。


 アメリカR&B界の女王、エタ・ジェイムズのヴァージョン。1970年発表の『Etta James Sings Funk』に収録。まるで「あんたがいーひんなって私はひねくれてしもたんかもしれんけど、もうそんな些細なことはどうでもええわ」と歌っているのではないかと思わせるぐらい、余裕と貫禄のある歌唱です。


 他にもケニー・ロジャース&ファースト・エディションが、1968年発表の『The First Edition's 2nd』でこの曲を取り上げていました。ケニー・ロジャースは1950年代から歌手活動を始め、カントリー界の大御所となり、今では国民的歌手とまで呼ばれる存在となっています。

 続いてキャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作の名曲、「Will You Love Me Tomorrow」。ソウルフルなバック・コーラスを配しながらも、カントリー・ロック調のアレンジが施され、リンダの本領発揮と言ったところです。


WILL YOU LOVE ME TOMORROW
今夜、あなたはすっかり私のもの
こんなにも優しく愛してくれる
今夜はあなたの瞳に愛が灯っているけれど
明日も私を愛してくれるのかしら?

これは一生の宝物?
それとも一瞬の喜び?
あなたのため息の魔法を信じるなら
明日も私を愛してくれるのかしら?

今夜、言葉を内に秘め
唯一の人よ、とあなたは言ってくれた
でも、夜に代わって朝日が昇ると
私の心は張り裂けるかもしれないわね?

あなたの愛を信じていいと
私は確信したいの
だから今、私に言って、二度と聞き直さないから
明日も私を愛してくれるのかしら?

だから今、私に言って、二度と聞き直さないから
明日もまだ、私を愛してくれるのしら?

 明日になると気が変わってしまうなんて、親密な間柄なら考えられないことでしょう。でも、人の心はみっともないほど移り気で、常に新しい誰かを求めて過去を清算してしまいたいものかもしれません。愛する人から突然の別れを切り出された経験のある方はいらっしゃいますか? たいていはその前に関係が修復出来ないほど悪化し、「さよなら」を予感しているものだと思いますが、どうなんでしょうかねぇ。
 
 くだらない妄言はさておき、まだどこか初々しさの残るリンダのライヴ映像をご覧ください。1970年3月11日のジョニー・キャッシュ・ショーに出演した際の映像です。


 この曲のファースト・リリースは1960年に「Tomorrow」のタイトルで発表されたザ・シュレルズのヴァージョンです。シュレルズはハイスクールの同級生4人組によって結成された黒人女性コーラス・グループ。全米1位となったこの「Tomorrow」の他、ザ・ビートルズでもお馴染みの「Boys」(1960年)、「Baby It's You」(1962年)などのヒットを放ちました。


 1971年にリリースされた名盤『Tapestry』にて、キャロル・キング自身がセルフ・カヴァーしたヴァージョン。あたかも波瀾万丈の自分の人生を振り返り、ひとつひとつの想い出を噛み締めるように歌っているかのようです。


 ご存知の通り、この曲は数多くのアーティストによって歌い継がれています。カヴァー・ヴァージョンの数は枚挙に暇がありませんので、回を改めてそれらの中から幾つかを紹介させていただきます。
 
スポンサーサイト

Linda Ronstadt - Lovesick Blues

 今回もリンダ・ロンシュタットの『Silk Purse』から「Lovesick Blues」をお題として、数曲を取り上げることにします。

シルク・パース(紙ジャケット仕様)シルク・パース(紙ジャケット仕様)
(2014/08/27)
リンダ・ロンシュタット

商品詳細を見る



Best of the Capitol YearsBest of the Capitol Years
(2005/12/07)
Linda Ronstadt

商品詳細を見る


 クリフ・フレンドとアーヴィン・ミルズによって書かれ、ハンク・ウィリアムスの代表曲のひとつとなった、「Lovesick Blues」。リンダのヴァージョンは失恋の痛みを吹き飛ばすような軽快なカントリー・ロックに仕上げられています。前々回で扱った「Long Long Time」とのライヴ映像でご覧ください。


LOVESICK BLUES
私はすっかりブルース気分、ああ神様
あの人に別れをを告げられてからなの
ねえ神様、私どうしたらいいのか分からない
ただこうやって座って泣いてるだけなのよ

あの人がさよならを言ったあの日
ああ神様、私は死んでしまいたいと思ったわ
誰にでも、私にでも
あの人はそんな風な愛し方をするでしょうよ
俺の可愛い人よなんて
あの人から呼ばれたいけれど
ああ、そんなのほとんど美しい夢物語ね
終わったことだなんて思いたくないわ
あの人に夢中になっていたんだから

なーんか、あまりにもあの人に馴染んでしまったので
今は誰かのいい人になるなんてできやしない
そんなことでひとりじゃ淋しいわ
恋に悩むブルースってとこね

うん、恋してるわ 愛してるの
自分がどんな状態なのかなんて
分かりきったこと
うん、恋してるわ 愛してるの
自分が相手にされていないなんて
分かりきったことなのよ

あの人を満足させたいと
何度も頑張ってきた私
でもあの人は留まらず
ここを出て行ってしまうのよ
もうどうにもならないわね

 前々回で扱った『Long Long Time』を彷彿させるような失恋の歌です。気持ちの通じない人のことなどさっさと見切りを付け、新しい恋へ、人生へと向かって行くのが幸福への道なんでしょうが、そんな風にあっさりと心の重荷を下ろせないのが人情というもの。それでも泣いたり、愚痴をこぼせるだけの余裕があると救われるのかもしれません。

 エヴァリー・ブラザーズ・ショーに出演した際の映像のようです。


 スワンプウォーターをバックに、1970年に行われたビッグ・サー・フェスティヴァルに出演した際の音源です。


 男の切ない気持ちが滲み出るようなハンク・ウィリアムスのヴァージョンは1948年にリリースされました。

 
 オリジナル・ヴァージョンはエルシー・クラークによる1922年のレコーディングのようですが、1920年代から30年代に活躍したボードビリアンのエメット・ミラーが、1925年にリリースしたヴァージョンがよく知られています。ミンストレル・ショー出身の彼は顔を黒塗りにし、ヨーデルを使って歌うのを得意としていました。


 1960年にリリースされたカントリー界の大御所、パッツィ・クラインのヴァージョンです。
 

 ドリー・パートン、ロレッタ・リン、タミー・ウィネットによるカヴァー。パッツィ・クラインのヴァージョンに被せてレコーディングされたようです。1993年リリースの『Honky Tonk Angels』に収録。


 この曲は現在も様々なアーティストによって歌い継がれています。こちらはノラ・ジョーンズやリチャード・ジュリアンらによって2003年に結成されたバンド、ザ・リトル・ウィリーズのヴァージョン。ジョニー・キャッシュの「Wide Open Road」、ロレッタ・リンの「Fist City」、ドリー・パートンの「Jolene」などをカヴァーしたアルバム、『For The Good Times』(2012年発表)に収録されていました。



 ロックン・ロール・デュオのドン・ハリス&デューイ・テリーによる「I'm Leaving It All Up To You」。原曲はR&B調のロックン・ロールですが、リンダのヴァージョンはスティール・ギターやフィドルををフィチャーし、カントリー・ロック風にアレンジされています。


I'M LEAVIN' IT ALL UP WITH YOU
すべてあなたに任せるわ
あなた次第よ
これからどうするのか、あなたが決めてね
私の愛がほしいのか?
それともふたりの仲を終わりにしたいのか?

だからすべてあなたに任せるの
あなた次第なんだから
これからどうするのか、あなたが決めてよ
私の愛がほしいのか?
それともふたりの仲を終わりにしたいのか?

これが私の心
これが私の手
そして私、分からないわ
私がしたこと、私がどんな過ちを犯したというの?
あなたのことをこれほどまでに
恋い慕っているのに


 リンダのような女性から、「愛してほしいの」と「終わりにしたいの」との二者択一を迫られたらどうなるでしょうか。幸か不幸か、男女の修羅場の経験に乏しいのでよく分かりません。でも、恋い慕った女性と気持ちが通じ合わなくなり、さよならを告げられたことは幾度かありました。まったく自慢にもならない話ですね。失礼しました。

 ドン&デューイのヴァージョンは1957年にリリース。ドゥー・ワップ・スタイル風です。


 こちらは1963年にヒットした男女デュオのディル&グレイスのヴァージョン。


 人生の酸いも甘いも噛み分けたと思しきソニー&シェールのヴァージョンです。1966年の『The Wondrous World of Sonny & Cher』に収録。ソニーさんと別れた後のシェールさんは恋多き女として、あまたのアーティストと浮き名を流したことは言うまでもありません。さぞかし数々の修羅場をくぐり抜けてきたことでしょう。


 まだまだ現役で活躍しているトム・ジョーンズと日本では「Hello Mr. Sunshine」で知られるタニヤ・タッカーの共演ヴァージョンは『Tom Jones & Friends Live!』(1997)に収録。こちらはライヴ映像をご覧ください。


 スティーヴィー・レイ・ヴォーンの兄であり、ファビラス・サンダーバーズで活躍したジミー・ヴォーンもカヴァーしています。彼一流のブルース・ギターと苦みばしった味のあるヴォーカルが印象的。2010年リリースの『Jimmie Vaughan Plays Blues, Ballads & Favorites』に収録されていました。



 ジーン・クラークとバーニー・リードンのペンによる「He Dark The Sun」。ザ・バーズ脱退後のジーン・クラークが、バンジョーの名手であるダグ・ディラードと組んだディラード&クラーク時代の作品です。彼らのバック・バンドのリード・ギターを務めていたのがバーニー・リードンで、その関係から共作がなされたものでしょう。


HE DARK THE SUN
彼の心は端から端まで
太陽を隠すほどの闇に覆われている

そんなに昔のことじゃない
たぶん1年かそのぐらい前のこと
淋しい私は
誰かいい人を探していた
ニューオリンズの南のずっと奥から
夢を求めて出てきたの
そんな時に出逢った彼
そこからすべてが始まった

あの夜、彼が現れて
俺は君に相応しい男だと口説いてきた
俺の人生のレースが終わるまで
君と一緒だよ、なんてね
身の毛がよだつほどの邪悪な目をした彼が
私の人生の中に入り込んできた
彼の心は端から端まで
太陽を隠すほどの闇に覆われている

ああ、言葉にできないほどの想い出
神様、脱力感に苛まれそう
でも、そんなことは
若さゆえのせいにしておくわ
おかしなことかもしれないって
自分でもわかってるんだけど
私の決められた運命を
変えられる術は他にないの
既に起こってしまったことだから

彼の心は端から端まで
太陽を隠すほどの闇に覆われている

 影のある妖し気な雰囲気の異性を危険視していても、ついつい惹かれてしまうものですね。女性なら母性本能がくすぐられ、男性なら魔性あるいは妖艶な魅力の虜といったところなんでしょうか。分別のつく年頃になると若気の至りですまされませんが、そんなに賢く、学習効果を持ち合わせた人間はあまりいないのかもしれません。同じ過ちを繰り返してしまうのが人生と言えば簡単ですが、ちょっと辛いような気がします。

 こちらはカントリー風味が増したヴァージョン。2006年にリリースされた『The Best Of Linda Ronstadt: The Capital Years』に収録されていたものと似ていますが、また別のテイクかと思われます。


 オリジナルはディラード&クラークで、『The Fantastic Expedition Of Dillard & clark』(1968)に収録。哀愁の漂うジーンの歌声は身につまされるようです。


 クレイグ・フュラーを中心とするカントリー・ロック・バンドのピュア・プレイリー・リーグのヴァージョンです。1999年リリースの『Greatest Hits』に収録。
 
 
 今回は奇しくも失恋や成就しない恋愛の歌ばかりになりました。カントリー・ロックのサウンドをバックに、ある時は痛快に、ある時は愁いをたたえて「恋歌」を表現するリンダ。その愛らしい歌声は瑞々しく、歌に賭けるようなひたむきさが感じ取れます。

  次のページ >>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。