暦の上では暑さが鎮まり、朝夕の冷気と涼風が感じ取れる処暑となりましたが、依然として猛暑の勢いは収まりません。すべてを投げ出してしまいたいところですが、怠りの心を持つと癖になるので気を引き締めて今回も記事を書くことにしました。暑苦しい文章ですが、最後までお付き合いのほど何卒宜しくお願い申し上げます。
1. Lovin' You
2. Bes' Friends
3. Voodoo In My Basement
4. Darlin' Companion
5. Henry Thomas
6. Full Measure
7. Rain On The Roof
8. Coconut Grove
9. Nashville Cats
10. 4 Eyes
11. Summer In The City
12. Darlin' Companion (John Sebastian Solo Demo)
13. Rain On The Roof (Instrumental Version)
14. 4 Eyes (Alternate Vocal/Extended Version)
15. Full Measure (Instrumental Version)
16. Voodoo In My Basement (Instrumental)
17. Darlin' Companion (Alternate Vocal/Alternate Mix)
今回の記事でご登場を願う方々はラヴィン・スプーンフルの皆さん。彼らが1966年に発表した『HUMS OF THE LOVIN' SPOONFUL』を取り上げます。
前作『Daydream』の成功で勢いに乗るラヴィン・スプーンフル。ウディ・アレン監督・主演の映画『What's Up Tiger, Lily?』(1966年公開)のサントラ担当に抜擢された後、早くも3作目のオリジナル・アルバム『Hums Of The Lovin' Spoonful』を発表することになります。
ラヴィン・スプーンフルはもともとブリティッシュ・インベイジョンの動きに迎合することなく、独自のアメリカン・ミュージックを作り出すことを目指したバンドでした。このサード・アルバムではフォーク、ブルース、カントリー、ジャグ・バンド・ミュージックなどの要素が増幅強調され、よりアメリカン・ルーツ・ミュージックの色合いが濃くなり、彼らならではの音楽性やグルーブ感を醸し出しています。収録曲はメンバーらとの共作を含めすべてジョン・セバスチャンのオリジナル作品で構成され、彼の書く詞にますます磨きがかかり、皮肉、風刺、心理描写などが巧みに表現されていました。
それではいつものようにYouTubeの音源・映像を使ってアルバムの収録曲を紹介します。まず、ジョン・セバスチャン作の「Bes' Friends(ベスト・フレンド)」。本作のジャケット写真を撮影した写真家のヘンリー・ディルツ(元MFQ)がクラリネットで参加。1920年代風のサウンド作りが試みられています。タイトルとは裏腹に「恋人同士が親友になれるなんて話は聴いたことがない」と人間関係に関する皮肉が込められていました。
1940年代から70年代に活躍したブルース・シンガー、ハウリン・ウルフへの共感を示したといわれるジョン・セバスチャン作のブルース・ナンバー「Voodoo In My Basement」。Voodooとはヴードゥー教のことで、カリブ海の島国ハイチやアメリカ南部で信仰されている民間信仰です。歌詞には猟奇的とまではいかないまでも少々怪しげな世界が描かれ、マリンバ、スティール・ギター、果てはゴミ箱までをも打楽器として使用し、不気味な雰囲気を漂わせていました。
http://www.youtube.com/watch?v=OSG1HN5huxo
打って変わって軽快なカントリー・ソング「Darlin' Companion」。ジョン・セバスチャンの作品です。
ジョニー・キャッシュ&ジューン・カーター・キャッシュ夫妻によるカヴァー。『At San Quentin』(1969)に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=X7aXTvJunAs&feature=related
ジョン・セバスチャン作の「Henry Thomas」。タイトルは1920年代に活躍したブルース・シンガー、ヘンリー・トーマスに因んでいますが、歌の内容はジョンの愛犬のことが歌われていました。ラヴィン・スプーンフルのデビュー・アルバム『Do You Believe In Magic』に収録されていた「Fishin' Blues」はヘンリー・トーマスが得意としていた曲で、彼へのオマージュから楽曲のタイトルにしたのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=h_0oo29YPxo
ジョン・セバスチャンとスティーヴ・ブーンの共作、「Full Measure」。ドラムスのジョー・バトラーがリード・ヴォーカルを担当しています。
http://www.youtube.com/watch?v=Nace1xqUFDw
ジョン・セバスチャン作の「Rain On The Roof」。スティール・ギター、アイリッシュ・ハープがフィチャーされていますが、トラッドというより童謡的な味わいがあります。
TVショー出演時の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=cVdSLB1DsSE
ジョン・セバスチャンとザル・ヤノフスキー共作の「Coconut Grove」。冬になるとニューヨークからフロリダ州のココナッツ・グローヴに移り住むシンガー・ソング・ライターのフレッド・ニールに影響されて作ったものらしく、まるで「楽園」のような様子が歌詞の中に描かれていました。
1960年代に活躍したイギリスの女性シンガー、サンディ・ショウが『Reviewing the situation』(1969)で取り上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=7q-ybg3NSJs
ジョン・セバスチャンがサン・レコードのヒット曲やナッシュヴィルのギタリストに敬意を表して作った「Nashville Cats」。
http://www.youtube.com/watch?v=P4p7prURvIk
ジョン・セバスチャン作のハードなブルース・ナンバー「4 Eyes」。ザル・ヤノフスキーが弾くスライド・ギターが印象的。ジョンが少年時代に眼鏡を掛けた体験をもとにしたもので、自虐的な嘆きが歌われていました。
http://www.youtube.com/watch?v=vCeQ5W_9_1c
シングル・カットされて全米1位を獲得した「Summer In The City」。ジョン・セバスチャン、マーク・セバスチャン(ジョンの実弟)、スティーヴ・ブーンの共作です。
SUMMER IN THE CITY
ホットな街 都会の夏
首の後ろが汚れて砂っぽくなっている
ぐったりしちまうぜ がっかりだね
都会には日陰などありゃしない
辺りを見回せば 人々は半分死んだも同然
歩道を歩けば、マッチの先より熱い
でも夜になりゃそこは別世界
外に出て女をナンパするのさ
さあ 一晩中踊ろうぜ
暑くたって平気なもんさ
ベイビー、残念だよな
昼間も夜のようになりゃいいんだがな
夏、都会の夏
夏、都会の夏
クールな街 都会の夕方
粋に装い、綺麗に着飾り
クールなオス猫が可愛い子猫を求めて
街の隅々を探しまくる
バス停のように息を切らして
階段を駆け上り、屋上でおまえに会うのさ
でも夜になりゃそこは別世界
外に出て女をナンパするのさ
さあ 一晩中踊ろうぜ
暑くたって平気なもんさ
上記の対訳で意味不明の箇所があります。インターネットで検索した歌詞では"Till I'm wheezing like a bus stop"と記されているのですが、直訳すると「バス停のように息を切らすまで」としか訳せません。この "like" の意味は何でしょうか。エンジンが掛かったままバス停に止まっているバスなのかなとも考えてみたのですが、それでは訳し過ぎになる恐れもあります。この件について詳しい方のご教示があれば幸いです。
TVショー出演時の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=zWXcjYNZais
ジョー・コッカーによる熱唱カヴァーは1994年リリースの『Have A Little Face』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=s6UJPq2VfAI
Hums of the Lovin Spoonful (2003/02/18) Lovin' Spoonful 商品詳細を見る |
1. Lovin' You
2. Bes' Friends
3. Voodoo In My Basement
4. Darlin' Companion
5. Henry Thomas
6. Full Measure
7. Rain On The Roof
8. Coconut Grove
9. Nashville Cats
10. 4 Eyes
11. Summer In The City
12. Darlin' Companion (John Sebastian Solo Demo)
13. Rain On The Roof (Instrumental Version)
14. 4 Eyes (Alternate Vocal/Extended Version)
15. Full Measure (Instrumental Version)
16. Voodoo In My Basement (Instrumental)
17. Darlin' Companion (Alternate Vocal/Alternate Mix)
今回の記事でご登場を願う方々はラヴィン・スプーンフルの皆さん。彼らが1966年に発表した『HUMS OF THE LOVIN' SPOONFUL』を取り上げます。
前作『Daydream』の成功で勢いに乗るラヴィン・スプーンフル。ウディ・アレン監督・主演の映画『What's Up Tiger, Lily?』(1966年公開)のサントラ担当に抜擢された後、早くも3作目のオリジナル・アルバム『Hums Of The Lovin' Spoonful』を発表することになります。
ラヴィン・スプーンフルはもともとブリティッシュ・インベイジョンの動きに迎合することなく、独自のアメリカン・ミュージックを作り出すことを目指したバンドでした。このサード・アルバムではフォーク、ブルース、カントリー、ジャグ・バンド・ミュージックなどの要素が増幅強調され、よりアメリカン・ルーツ・ミュージックの色合いが濃くなり、彼らならではの音楽性やグルーブ感を醸し出しています。収録曲はメンバーらとの共作を含めすべてジョン・セバスチャンのオリジナル作品で構成され、彼の書く詞にますます磨きがかかり、皮肉、風刺、心理描写などが巧みに表現されていました。
それではいつものようにYouTubeの音源・映像を使ってアルバムの収録曲を紹介します。まず、ジョン・セバスチャン作の「Bes' Friends(ベスト・フレンド)」。本作のジャケット写真を撮影した写真家のヘンリー・ディルツ(元MFQ)がクラリネットで参加。1920年代風のサウンド作りが試みられています。タイトルとは裏腹に「恋人同士が親友になれるなんて話は聴いたことがない」と人間関係に関する皮肉が込められていました。
1940年代から70年代に活躍したブルース・シンガー、ハウリン・ウルフへの共感を示したといわれるジョン・セバスチャン作のブルース・ナンバー「Voodoo In My Basement」。Voodooとはヴードゥー教のことで、カリブ海の島国ハイチやアメリカ南部で信仰されている民間信仰です。歌詞には猟奇的とまではいかないまでも少々怪しげな世界が描かれ、マリンバ、スティール・ギター、果てはゴミ箱までをも打楽器として使用し、不気味な雰囲気を漂わせていました。
http://www.youtube.com/watch?v=OSG1HN5huxo
打って変わって軽快なカントリー・ソング「Darlin' Companion」。ジョン・セバスチャンの作品です。
ジョニー・キャッシュ&ジューン・カーター・キャッシュ夫妻によるカヴァー。『At San Quentin』(1969)に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=X7aXTvJunAs&feature=related
ジョン・セバスチャン作の「Henry Thomas」。タイトルは1920年代に活躍したブルース・シンガー、ヘンリー・トーマスに因んでいますが、歌の内容はジョンの愛犬のことが歌われていました。ラヴィン・スプーンフルのデビュー・アルバム『Do You Believe In Magic』に収録されていた「Fishin' Blues」はヘンリー・トーマスが得意としていた曲で、彼へのオマージュから楽曲のタイトルにしたのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=h_0oo29YPxo
ジョン・セバスチャンとスティーヴ・ブーンの共作、「Full Measure」。ドラムスのジョー・バトラーがリード・ヴォーカルを担当しています。
http://www.youtube.com/watch?v=Nace1xqUFDw
ジョン・セバスチャン作の「Rain On The Roof」。スティール・ギター、アイリッシュ・ハープがフィチャーされていますが、トラッドというより童謡的な味わいがあります。
TVショー出演時の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=cVdSLB1DsSE
ジョン・セバスチャンとザル・ヤノフスキー共作の「Coconut Grove」。冬になるとニューヨークからフロリダ州のココナッツ・グローヴに移り住むシンガー・ソング・ライターのフレッド・ニールに影響されて作ったものらしく、まるで「楽園」のような様子が歌詞の中に描かれていました。
1960年代に活躍したイギリスの女性シンガー、サンディ・ショウが『Reviewing the situation』(1969)で取り上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=7q-ybg3NSJs
ジョン・セバスチャンがサン・レコードのヒット曲やナッシュヴィルのギタリストに敬意を表して作った「Nashville Cats」。
http://www.youtube.com/watch?v=P4p7prURvIk
ジョン・セバスチャン作のハードなブルース・ナンバー「4 Eyes」。ザル・ヤノフスキーが弾くスライド・ギターが印象的。ジョンが少年時代に眼鏡を掛けた体験をもとにしたもので、自虐的な嘆きが歌われていました。
http://www.youtube.com/watch?v=vCeQ5W_9_1c
シングル・カットされて全米1位を獲得した「Summer In The City」。ジョン・セバスチャン、マーク・セバスチャン(ジョンの実弟)、スティーヴ・ブーンの共作です。
SUMMER IN THE CITY
ホットな街 都会の夏
首の後ろが汚れて砂っぽくなっている
ぐったりしちまうぜ がっかりだね
都会には日陰などありゃしない
辺りを見回せば 人々は半分死んだも同然
歩道を歩けば、マッチの先より熱い
でも夜になりゃそこは別世界
外に出て女をナンパするのさ
さあ 一晩中踊ろうぜ
暑くたって平気なもんさ
ベイビー、残念だよな
昼間も夜のようになりゃいいんだがな
夏、都会の夏
夏、都会の夏
クールな街 都会の夕方
粋に装い、綺麗に着飾り
クールなオス猫が可愛い子猫を求めて
街の隅々を探しまくる
バス停のように息を切らして
階段を駆け上り、屋上でおまえに会うのさ
でも夜になりゃそこは別世界
外に出て女をナンパするのさ
さあ 一晩中踊ろうぜ
暑くたって平気なもんさ
上記の対訳で意味不明の箇所があります。インターネットで検索した歌詞では"Till I'm wheezing like a bus stop"と記されているのですが、直訳すると「バス停のように息を切らすまで」としか訳せません。この "like" の意味は何でしょうか。エンジンが掛かったままバス停に止まっているバスなのかなとも考えてみたのですが、それでは訳し過ぎになる恐れもあります。この件について詳しい方のご教示があれば幸いです。
TVショー出演時の映像のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=zWXcjYNZais
ジョー・コッカーによる熱唱カヴァーは1994年リリースの『Have A Little Face』に収録。
http://www.youtube.com/watch?v=s6UJPq2VfAI
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