好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Dave Mason - SPLIT COCONUT

台風が過ぎ去った後、少しばかりしのぎやすい日々が続いておりましたが、ここに来てようやく従来の夏が戻ってきたようです。そこで、今回は暑い夏にぴったりのジャケットが描かれたアルバムを取り上げることにしました。

スプリット・ココナッツ(紙ジャケット仕様)スプリット・ココナッツ(紙ジャケット仕様)
(2010/04/14)
デイヴ・メイスン

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1. Split Coconut
2. Crying, Waiting, Hoping
3. You Can Lose It
4. She's A Friend
5. Save Your Love
6. Give Me A Reason Why
7. Two Guitar Lovers
8. Sweet Music
9. Long Lost Friend

デイヴ・メイスンの『Split coconut』はCBS移籍第3弾として1975年にリリースされました。椰子の木の下でアロハ・シャツを着たメイスン。ギターを弾きながらくつろぐといった風情ですが、トロピカルな雰囲気が醸し出されたアルバム・ジャケットとは裏腹に情念の炎が燃やされ、傷つきやすい繊細さが演出されていました。

オープニングを飾るのはほぼインストゥルメンタルのファンキーなナンバー、「Split Coconut」。今回はライヴ・ヴァージョンをお聴きください。


デヴィッド・クロスビー&グラハム・ナッシュがコーラスで参加した「She's A Friend」。ウエスト・コースト・サウンド風の爽やかな曲調に仕上げられています。


ジム・クリューガーにギター・ソロを任せてヴォーカルに専念した「Give Me A Reason Why」。むせび泣くようなギターの音色に切ない歌声。子供から問いかけられた疑問に落ち着いて答える様子がよく表されています。


GIVE ME A REASON WHY
与える理由を教えて
奪う理由を教えて
愛する理由を教えて
ダディ、憎む理由を教えてよ
笑う理由を教えて
泣く理由を教えて
生きる理由を教えて
ダディ、どうしてなのか教えてほしい
お願いだから どうしてなのか理由を教えてよ

大きな青い瞳で私を見つめながら
説明に窮することを尋ねて来る
ダディ、神様って誰なの、何を考えてるの
いい質問だねって私は答えるだけ
お話ししてよ、でなければ歌を歌って
あまり短くしないように
長すぎるのも駄目だよ
正しいことと間違ったことはどう違うのか教えて
やがて、みんなわかるようになるさ
そのうち、すべてわかるようになる

銀色の鳥のように空を羽ばたき
破られた約束に涙を流しながらも
自分の夢を追い続ける
新しい世代の礎を築きながら
いつか現実となろう素晴らしいことを考える

子供から父親への質問と行った体裁を取っていますが、誰もが心に思う疑問や矛盾が示されているのは間違いないでしょう。他人に施しを与えたり、奪い取ったり。人を愛したり、憎んだり。人間は何のために生きているのかを考えると漠然とし、納得する答えを見出すのは容易いことではありません。正しいことと間違ったことは立場によって異なるものであり、人はごまかしながら生きているのが実情。人を殺めること、金品を強奪することは論外としても、欲望のままに他人の迷惑を顧みない行為などを自己の利益のために正当化するする人々も少なくないのです。しかし、そんな不条理で理不尽な現実社会の中で懸命に生き抜くのが、人間に課せられた宿命といえるかもしれません。

ブレイク前のマンハッタン・トランスファーがヴォーカル・サポートで参加している「Long Lost Friend」。アルバムを締めくくるように、デイヴ・メイスンの情感がこもったギター・ソロも堪能出来ます。


ほのぼのとしたアコースティックなナンバーとリズムを強調した楽曲が適宜に配され、充実したバンド・サウンドが表現されています。アルバム・ジャケットに似つかわしいレゲエのリズムをバックにトロピカルなムードを漂わせた「 Crying, Waiting, Hoping 」(バディ・ホリー作)やソウル色の濃い「Sweet Music」といった曲も収められ、ヴァラエティに富んだ印象も受け取れました。
ウエスト・コーストの乾いた風とイギリスの湿った大気がほどよく融合されたようなデイヴ・メイスンが織りなすサウンド。ギターのテクニックはもちろんのこと、魂のこもった味のあるヴォーカル、巧みな曲作りといった類い稀な才能でリスナーを決して飽きさせない魅力が溢れた一枚でした。
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Dave Mason - DAVE MASON

拙ブログとリンクを結んでいただいているPurple_Hazeさんが、デイヴ・メイスンの来日公演をリポートしておられました。久々に日本のファンの前に姿を見せたデイヴ・メイスン。容姿に昔日の面影が殆どなくとも、変わらぬ彼のパフォーマンスに会場の盛況の様子がよく伝わってくる記事です。近頃の私は懐具合が寂しいので講演会場に足を運ぶことが出来ませんでしたが、せめて雰囲気だけでも共有したくデイヴ・メイスンがCBS移籍第二弾として1974年に発表した『Dave Mason』を今回のお題としました。

デイヴ・メイスン(紙ジャケット仕様)デイヴ・メイスン(紙ジャケット仕様)
(2010/04/14)
デイヴ・メイスン

商品詳細を見る

1. Show Me Some Affection
2. Get Ahold Of Love
3. Every Woman
4. It Can't Make Any Differance To Me
5. All Along The Watchtower
6. Bring It On Home To Me
7. Harmony & Melody
8. Relation Ships
9. You Can't Take It When You Go

CBS移籍第一弾として1973年にリリースされた前作『It' You Like You Never Left』ではスティーヴィー・ワンダー、ジョージ・ハリスン、グラハム・ナッシュなど豪華なゲスト陣が参加。さながらデイヴ・メイスンの再出発を友人たちが祝うかの様相を呈していました。それに引き換え自分の名前だけを冠したこの『Dave Mason』。ジム・クリューガー(ギター)、マイク・フィニガン(キーボード)、ボブ・グローブ(ベース)、リック・ジェイガー(ドラム)といった布陣を中心としてレコーディングに臨み、有名どころや外部招聘を極力抑えた作品になっています。

アルバムのオープニング・ナンバー、「Show Me Some Affection」。ジョージ・ハリスンを彷彿させるようなスライド・ギターが印象的です。デイヴとジョージは同時代のミュージシャンとして篠木を削った仲。お互いのプレイに一目を置きながら自らを高めっていったのでしょう。二人がアメリカ南部の音楽に目を向けていたのもほぼ同時期でした。
間奏の粋なフルートはティム・ワイズバーグ(ダン・フォーゲルバーグと組んで1978年に発表された『Twin Sons Of Different Mothers』が有名)。エンディングでは主役を食うような勢いがあるマイク・フィニガンのキーボード・プレイに圧倒さてしまいそうです。


SHOW ME SOME AFFECTION
誰かにとって俺はありがたい存在だろうし
他人に取っては厄介な奴かもしれない
俺は歌を書くだけの男で戦士なんかじゃない
俺は単なる人間であって金の詰まった財布じゃないぜ
俺は金を無心される男なのかもしれない
尻軽女を連れていたからな
だが、俺はおまえに一握りの愛を置いて行くのさ

ああ 少しでいいから愛情を示してくれ
ああ この俺はどこへ行けばよいのか教えてくれ
ああ おまえだけが頼りなのさ

俺はジプシー・クイーンを探し求めるジェット時代のジプシー
俺は時々思うのだ
やっといろんなことが分かり始めたってな
あちこち旅をしてきたが、
いまだに見つからないのだよ
理想の女が待っていてくれるような
家がどこにあるかを

我慢強くおまえと一緒に暮らすなら
そのうち俺は調子が合わなくなるだろう
何かが始まるのを待っている
この先どうなるか
俺には予想できない
人生をそのままで受け入れるだけさ
見捨てられないように願いながら

前作『It's You Like Never Left』にも収められていた「Every Woman」。別れてしまった愛する人への未練と賛辞が込められた歌です。前作ではアコースティック・ギターをバックにグラハム・ナッシュのコーラスを付けてシンプルに仕上げられていましたが、今回はスティール・ギターやニック・デカロのアレンジによるストリングスを配してリメイクされていました。


こちらはライヴ映像です。来日公演もこんな感じのパフォーマンスだったのでしょうか。


ボブ・ディラン作の「All Along The Watchtower」。道化師と泥棒との会話を通してディランの終末観が表された歌です。ディランのオリジナル・ヴァージョンは1967年の『John Wesley Harding』に収録。


ジミ・ヘンドリックスのヴァージョン(1968年の『Electric Ladyland』に収録)ではデイヴ・メイスンもアコースティック・ギターでレコーディングに参加していました。
http://www.youtube.com/watch?v=9WbKBKima4Q

サム・クック作の「Bring It On Home To Me」。去って行った恋人に戻ってきてほしいと懇願する様子が魂を込めて切なく歌われています。


サム・クックのヴァージョンは1962年にリリースされています。
http://www.youtube.com/watch?v=RAQE-tHjPAc

他にもエディ・フロイド(1968年全米17位)、ジョン・レノン(1975年の『Rock'n Roll』に収録)、ポール・マッカートニー(1988年の『CHOBA B CCCP』に収録)などこの曲を取り上げたアーティストは枚挙に暇がありません。

デイヴ・メイスン自身の手による「You Can't Take It When You Go」。「すべてを手に入れようとすると何も残らない」、「富とは黄金で計るものでなく心と魂で計るもの」、「真実とは欺けない感情であり、人生を信じないのならば、それは幻である」と教訓めいた内容が描かれていました。間奏でのデイヴ・メイスンの哀愁を帯びたギター・ソロにニック・デカロによるストリングス・アレンジが見事に溶け合い、マイク・フィニガンが弾くキーボードがデイヴのソウルフルなヴォーカルをさらなる情念の世界に導くような効果を発揮していました。感情が高まったままフェイド・アウトするエンディングはアルバムを締めくくるに相応しい演出です。


アルバム・ジャケットからも察せられるように、イギリス人特有の翳りが漂えどウエスト・コーストの青い空と乾いた大気に包まれたような音作り。前作にも増してポップな路線が強調されています。同時に祖国を離れ、アメリカという大きなマーケットを相手に自分の音楽を追究する姿勢や自信に満ちあふれた様子が嗅ぎ取れる一枚でした。
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