好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Jim Messina - OASIS

 台風が去って、また暑い日が戻ってきました。よって、AOR路線で涼を取ることにします。ご登場を願うアーティストはジム・メッシーナ。今回は彼が1979年にリリースしたアルバム、『Oasis』を取り上げることにしました。

オアシスオアシス
(2014/06/25)
ジミー・メッシーナ

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 バッフアロー・スプリング・フィールド、ポコ、ロギンズ&メッシーナなどで活躍したジム・メッシーナ。1976年にケニー・ロギンズとのデュオを解消した後、満を持して発表したのが、初めてのソロ・アルバムである『Oasis』です。一足先にソロ・デビューを飾り、ボブ・ジェームズやトム・ダウドといった大御所プロデューサーを迎えて都会的で洗練された雰囲気のアルバムを連発していたロギンズを横目に、決して喧嘩別れしたわけではないもののメッシーナには忸怩たる思いがあったことでしょう。
 ジム・メッシーナのキャリアから察すると、カントリー・ロックやフォーク・ロックのイメージが思い浮かぶかもしれませんが、あにはからんやこの『Oasis』ではラテン、カリプソ、マリアッチなどの要素をふんだんに取り入れ、これまでの彼の音楽傾向とは趣を異にした印象を受けます。もっとも、ロギンズ&メッシーナ時代にもロックとラテンやカリブ海の音楽のテイストを巧みに融合させていた彼のこと、「Lahina」(1973年の『Full Sail』に収録)「Lately My Love」(1974年の『Mother Lode』に収録)といった曲などからもこちらの路線に向かうことは十分に予想されたことでした。

 アルバムのオープニングからトロピカルでラテンのテイストが漂う曲、「New And Different Way」。ロギンズ&メッシーナというとケニー・ロギンズ作の「House At Pooh Corner」や「Danny's Song」、ジム・メッシーナ作の「Thinking Of You」、ロギンズとメッシーナ共作の「Your Mama Don't Dance」などが真っ先に想起されるのでしょうが、むしろこうしたトロピカル風の曲のほうがロギンズ&メッシーナの醸し出すサウンドの本質だったのかもしれません。


NEW AND DIFFERENT WAY
やっと分かったんだと思う
新しい別の見方で
俺のリアリティの変化が見えてきたんだ
こんな新しい別の見方では
俺は間違っていないと言えるような
あらゆるものが新鮮で輝いているような
そんな風な気がするんだ
うん、この特別な場所からそれが分かるんだ
今まで見えなかったものの中から
別の表情が見えてくる
そのとき突然に気づくものさ
もう頭で考えていても何も始まるわけじゃないと

新しい別の見方が分かるのは
そんな自分を見つけたという感覚が
心の中を突き抜けた時さ
新しい別の見方において
自分が何者だと分かるようになるこの場所は
人生の中で自分の存在を示せる場所であるのさ

気づいたのさ、音楽が俺の命の洗濯だってことに
俺は自分の愛するものたちとともに
1日1日を生きているんだと
俺が与えたものの見返りに
俺の得る愛は永遠に生き続けるのだ
これからもどこまでも

そのとき突然に気づくものさ
もう頭で考えていても何も始まるわけじゃないと
新しく別の見方が分かるのは
そんな自分を見つけたという感覚が
心の中を突き抜けた時さ
新しく別の見方において
自分が何者だと分かるようになるこの場所は
人生の中で自分の存在を示せる場所であるのさ

 この曲はラヴ・ソングの体裁を取っておりますが、「新しい別の見方で俺のリアリティの変化が見えてきた」という歌詞から、自分のやりたい音楽が分かったという意味に解釈しても良いでしょう。ソロ・デビューにあたっての決意宣言とも受け取れました。

 ホーン・セクションと華麗なコーラスが効果的で、ソウルフルな「Do You Want To Dance」。たぶんメッシーナ本人が弾いているであろうギターも深く印象に残ります。


DO YOU WANT TO DANCE
ねえ、君を見るたびに
君の仕草を見ていると
俺は踊り出したい気持ちにさせられるんだ
君をこの腕の中に抱きしめてしまいたい
君といるとミュージカルのロマンス気分に浸れるのさ

君の体の中にリズムが流れて行く
君の傍で踊りたい気分になるぐらい
近くにいると高揚する
心の中で情熱が燃えたぎるのさ

踊らないか
踊りたいんだ
音楽がふたりを舞い上がらせてくれるのを感じよう
リズムがふたりを激しく動かせてくれる
魔法にかかったようだね

俺が感じるビートのひとつひとつの音とともに
君のリズミカルな魅惑の中に俺を引き込んで行く
ああ、君は本当に上手く動ける
君の魅力におれはうっとり
君に催眠術をかけられたように魅了されてるのさ
どれぐらいのものかわかってるよね

 AORの名曲のひとつと称されたことがある、「Seeing You(For The First Time)」。ロマンティックな曲ですが、歌詞も甘ったるく、この世界に浸っていると、我に返った時に思わず赤面してしまいそうです。なお、この曲はかとうかず子主演の映画『なんとなく、クリスタル』(1981年公開。原作は田中康夫氏の小説)のサントラに収録されておりました。


SEEING YOU (FOR THE FIRST TIME)
初めて君に会った時は
優しい夢のようで
本当のことになろうとは思わなかった
でもそれからは
すべてが当然の如く起こっているようだね

初めて君にキスをしたときは
暖かな季節に移ったようで
そんなに目新しくは感じなかったみたいだ
でもそれからは
すべてが当然の如く起こっているようだね

この人生、
君が俺に届けてくれた愛という贈り物がなければ
たいしたものではなかっただろう
君と俺が出会ったその日まで
俺は満たされぬ想いのままでいただろう
こんなに深く愛し合っているふたり
こんなに深く愛し合ってきたふたり

心の内側で燃えたぎる愛
君が俺に触れるのを感じたとき
夢に見たファンタジーが本当に叶えられた
でもそれからは
すべてが当然の如く起こっているようだね

 こちらもラテン・フュージョン調の楽曲で、マリアッチ風のブラス・セクションが印象深く鳴り渡ります。ロギメナ時代と一風変わったメッシーナのギターの腕前も思い知らされました。メッシーナの「パッキン・パッキン」と鳴るギターの音色は重みがないと揶揄されているのを見聞きしたことがありますが、どうしてどうしてなかなか円熟した響きを奏でているではないですか。


LOVE IS HERE
こんなに自由な気分でいられるのは
俺が君を愛せると分かっているから
君が俺を愛しているかどうかで
君のためにあるこの愛が変わるわけがない
ただ心が決めたことだから
伝わる気持ちがすべてだから
だから俺はこんなことを言うのさ

愛は自由な鳥のよう
檻に入れられないほどの高い空を飛ぶ
自分を解き放つ時期さ
だから、わかるだろ

愛はただ与えるためのもの
愛は与えるためにここにある

 
 別れた恋人への未練と恋慕が、ジャジーなサウンドをバックに切なく胸に滲みる「(Is This)Lovin' You Lady」。恋することの悩ましさやもどかしさが、人情の機微に触れるように表現されています。


(IS THIS)LOVIN' YOU LADY
俺は君のものじゃない
君も俺のものじゃない
だが、一緒に時を分かち合いたいふたり
これが恋ってものなのか、レディ
恋なのか、レディ

君は俺の友だち
そして恋人
だが、ふたりはお互いを
こんなにブルーな気分にしている
これが恋ってものなのか、レディ
恋なのか、レディ

分かち合ってきた愛と
そしてそれをどのように育んできたのか
それらがふたりの分かっていることだと確かめられたとき
君の愛が傍にあれば
おれは気分が良いのさ
でもその時はしかるべくやって来て
お互いが向き合ったままでいることに気づくふたり
隠しているだけ
すべてを心のうちに秘め
君と俺がひとつに感じられれば
ふたりの愛の中で生きられるのに
その瞬間にいられたら
そしてふたりの人生を一緒にできたなら
ああ、一緒にできたらなあ

俺は間違っていて
君は正しい
これが仲良くやっていくやり方
これが恋ってものなのか、レディ
恋なのか、レディ

君を行かせてしまえば
俺の心は傷つく
でもそうしなければいけないと分かってるんだ
そうやってふたりは成長できるんだもの
これが恋ってものなのか、レディ
恋なのか、レディ
恋なのか、レディ
恋なのか、レディ

 アルバム『Oasis』は1970年代後半から1980年代にかけてもてはやされたAORやソフト&メロウの魅力が凝縮されたかのような1枚でしたが、セールス面や話題性ではケニー・ロギンズに及ばず、後塵を拝すような結果となりました。そんなことにはお構いなしの如く、マイペースで自分の音楽を追究するジム・メッシーナはこのあと長年在籍したCBSを離れ、ワーナー・ブラザーズに移籍して『Mesina』(1981)、『One More Mile』(1983)の2作を発表。これらのアルバムではラテン・フレーバーはそのままにロック色を強め、なおかつお得意のカントリー・ロック風の曲まで披露しています。
 なお、『Oasis』のアルバム・ジャケットにはジミー・メッシーナと表記されており、ソロ・デビューするにあたって改名したと窺えるのですが、ここでは従来のジム・メッシーナで統一しました。
 
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Loggins & Messina - MOTHER LODE

拙ブログとリンクしていただいているPurple_Hazeさんのブログ「Blues Power」で、ロギンズ&メッシーナのアルバム『Loggins & Messina』が記事にされていました。触発されたわけではありませんが、今回はロギンズ&メッシーナが1974年9月にリリースした『Mother Lode』を取り上げます。京都で学生時代を過ごされた経験のあるPurple_Haze様、どうか「真似し漫才米屋の丁稚」と囃し立てないようにお願い申し上げます。
なお、「真似し漫才米屋の丁稚」とは、人の真似ばかりしている者はせいぜいが米屋の丁稚ぐらいにしかなれず大成できないという意味で、ある程度の年齢の京都人しか理解できないと思われる言い回しです。ちなみに大阪では真似しゴンボと言うらしいとのこと。

進世界(マザー・ロード)(紙ジャケット仕様)進世界(マザー・ロード)(紙ジャケット仕様)
(2006/06/21)
ロギンス&メッシーナ

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1. Growin'
2. Be Free
3. Changes
4. Brighter Days
5. Time to Space
6. Lately My Love
7. Move On
8. Get a Hold
9. Keep Me in Mind
10. Fever Dream

ウエスト・コースト・サウンドの括りにとらわれないかのようにソウルやジャズ、加えてレゲエやカリプソの要素までをも積極的に取り入れてきたロギンズ&メッシーナでしたが、そうした傾向が顕著にあらわれているのがこの『MOTHER LODE』の特徴です。
このアルバムではロギンズ&メッシーナの音作りに重要な役割を果たしていたキーボード奏者のマイケル・オマーティアンが抜け、デヴィッド・ペイチがサポートに加わっていました。ジャズ・ミュージシャンを父に持ち、後にボズ・スキャッグスとのセッションで名を上げ、TOTOを結成して成功をつかんだ人であるが故に、ソウルやジャズのフィーリングが溢れた演奏ならお手のものだったのでしょう。

それではアルバムから何曲か紹介します。まず、オープニング・ナンバーの「Growin'」。
ケニー・ロギンズとR・ウィルキンスの共作で、恋人や友人との絆が大切であると歌われていました。ジム・メッシーナのギターもパキパキと快調に鳴り響き、カリフォルニアの青い空と輝く太陽を連想させるような明るく軽快な曲です。


マンドリンや琴の音色がフィーチャーされた「Be Free」はイメージ映像とともにお楽しみ下さい。ジム・メッシーナの作品で、おびただしい量の車が公害をもたらし、コンクリート・ジャングルに囲まれ、誘惑が渦巻く都会の生活を抜け出して自然の中で暮らしたいとの願望が表されていました。諦観を内包したような物悲しい雰囲気の前半から一転、フィドルとともアイリッシュ・ダンスを思わすかのような明るい間奏が演奏され、いったん哀愁を帯びたメロディに戻るものの未来への希望が窺えるようなエンディングを迎えます。


BE FREE
世の中が変わって行くのが俺には分かる
俺の目の前で様々な出来事が変わって行くのが見える
いたる所にセメントの建物が増大して行く
通りにはおびただしい量の車が行き交い
空気を汚染している
ああ なんてことだろう

俺は逃げ出したい
川や木々に囲まれた人生を送りたい
詩を作って毎日を過ごしたい
自由に 自由に 自由になりたい

誰にも都会の誘惑する声が聞こえる
高い地位に上りつめて 
人が堕落して行くのを感じるのさ
俺たちを招き寄せているんだよ
セメントの谷間の中にいる泥棒を見ろよ
連れ立つ者にまで魔の手を広げようとしている
あまりにも多くの偽りを彼方から渇望しているのだ
ああ なんてことだろう

思考の奥底から
俺は内なる幻影を見た
俺には宇宙が展開するのが見えたんだ

学校のベルが鳴るのが聞こえる
中庭では子供たちが歌っている
楽しそうだが 人生は夢に過ぎない
通りではあの子らの兄貴たちが
コカインやヘロインを売りつける
歌が叫び声に変わるのを救うのは誰なのか
ああ なんてことだろう


もう1曲。ケニー・ロギンズとM・ミューレイゼンの共作曲「Fever Dream」。ハーモニカで始まる哀愁のバラードといった風情ですが、ソウルやジャズの要素が盛り込まれ、AOR風に仕上げられています。ファルセットで歌うケニー・ロギンズのヴォーカルがソウルフルでエモーショナルな雰囲気を漂わせていました。



この他、ケニー・ロギンズとD.L.ジョージの共作曲でフルートの音色が印象的なAOR風の「Time To Space」、ジム・メッシーナ作でレゲエの要素を取り込んだトロピカルな「Lately My Love」、ケニー・ロギンズの作品で、彼のソウルフルなヴォーカルと温もりのあるホーン・セクションとファンキーなクラヴィネットの音色が堪能できる「Get A Hold」など佳曲揃い。フュージョンやAORといった言葉がまだなかった時代に先駆けて、多彩な音楽性が披露されていました。今となっては彼らのサウンドが時代のグルーヴ感に合わなくなったのか、1990年代以降すっかり忘れ去られた存在となったことが実に残念です。

2009年のライヴ映像。近年ロギンズ&メッシーナは再結成され、アメリカ各地で公演を行っているようです。


昨今の円高のせいか輸入盤が安くなったものです。
Mother LodeMother Lode
(2008/03/01)
Loggins & Messina

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