好きな音楽のことについて語りたいと思います。

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Carpenters - PASSAGE

しばらく男性シンガーが続いたので、今回は爽やかな女性の歌声をお届けしたいと思います。ご登場を願うのはカーペンターズの皆さん。カレン・カーペンターのしなやかなヴォーカルをお楽しみいただければ幸いです。
さて、取り上げるアルバムは1977年にリリースされた『PASSAGE』。リチャード・カーペンターのオリジナル作品は収録されていないものの、新境地を開くが如くの実験的な音作りがなされていました。

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(1998/12/23)
カーペンターズ

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パッセージ(紙ジャケット仕様)パッセージ(紙ジャケット仕様)
(2009/08/26)
カーペンターズ

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1. B'wana She No Home
2. All You Get from Love Is a Love Song
3. I Just Fall In Love Again
4. On the Balcony of the Casa Rosada/Don't Cry for Me Argentina
5. Sweet, Sweet Smile
6. Two Sides
7. Man Smart/Woman Smarter)
8. Calling Occupants Of Interplanetary Craft

それではアルバムの中から何曲か紹介いたします。
オープニング・ナンバーの「B'wana She No Home」。ジャジーな雰囲気が漂うマイケル・フランクスの作品で、ピート・ジョリーのピアノ、トム・スコットのテナー・サックスとアルト・フルートの掛け合いが聴きものです。女主人とお手伝いさんとのやり取りが描かれた歌のようですが、意図はよく分かりません。マイケル・フランクスのヴァージョンは1977年発表の『Sleeping Gypsy』に収録。


続いてスティーヴ・イートン作の「All You Get from Love Is a Love Song」。オリジナル・ヴァージョンは1974年発表の『Hey Mr. Dreamer』に収録。トム・スコットのテナー・サックスが印象的なラヴ・ソングでしたが、ヒット・チャートでは精彩を欠き、全米第35位に終わりました。


ALL YOU GET FROM LOVE IS A LOVESONG
行くあてもなく航海を続ける船のように
愛は海にそよ風のように私の心をさらって行った
でもカモメが飛ぶのを見て恋が終わったことを知った
愛が波にのまれてしまったから

全く酷いお話
愛しあって残されたものがラヴ・ソングだけなんて
夜ごと眠れず
音楽が始まるのを待つだけ
全く酷いお話
ラヴ・ソングが責めを負わなければならないなんて
だって最高のラヴ・ソングは失恋した時に書けるものだから

涙で目が霞み
値の前に広がる未来が見えない
明日もお陽さまが昇り
人々を明るく照らしても
私にあたることはない


拙ブログではJ-POPを扱うことはあまりないのですが、藤村美樹さんの表情と歌声がとても魅力的なのでキャンディーズのヴァージョンも紹介しておきます。1977年9月21日にリリースされた「アン・ドゥ・トロワ」のB面(アルバムは同年9月1日発売の『Candy Label』)に収録されていました。ちょっぴりボサノヴァ風のアレンジがされていて心地よく響きます。


スティーヴ・ドーフ作の『I Just Fall In Love Again』。物悲しい曲ですが、従来のカーペンターズ・サウンドに纏められていました。


1979年に録音されたダスティ・スプリングフィールドのヴァージョン。同じ年にアン・マレーもこの曲をリリースしていました。


次は「Don't Cry for Me Argentina」。この曲はアルゼンチンの大統領夫人エヴァ・ペロンを題材として描いたミュージカル、『Evita』の中で歌われた1曲です。『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1971年初演)を手掛けたティム・ライス(作詞)、アンドリュー・ロイド・ウェバー(作曲)によって、最初はアルバムとしてリリースされましたが、ジュリー・コーヴィトンの歌う「Don't Cry for Me Argentina」が全米チャート1位を記録するヒットとなったため1978年にロンドンで舞台化。翌1979年にはブロードウェイでも公演が始まっています。映画化されたのは1996年で、マドンナが主役のエヴィータ(エヴァ・ぺロン)を演じました。


マドンナのヴァージョンは1996年リリースの『Evita』に収録。マドンナに関してはカーペンターズの楽曲で歌詞を担当していたジョン・べティスと元フィフス・アヴェニュー・バンドのジョン・リンドが共作した「Crazy For You」(1985年リリースのサントラ『Vision Quest』収録)を彼女が歌っていた時に注目する一瞬があったものの、それ以外は全く興味を抱いたことがありません。でも、映画のこの場面では少なからず感動を覚えました。


サラ・ブライトマンのヴァージョンは1990年リリースの『The Premiere Collection: The Best Of Andrew Lloyd Webber 』に収録。


他にもオリヴィア・ニュートン・ジョン(1977年発表の『Making a Good Thing Better』) 、ジョーン・バエズ (1980年発表のEuropean Tour )、ドナ・サマー (1983年発表の『A Blue Live Lady』)、シネイド・オコナー』(1992年発表の『Am I Not Your Girl?』)など枚挙に暇がありません。

ジュース・ニュートン作の「Sweet, Sweet Smile」。軽快なカントリー風のアレンジが施された爽やかな曲です。


バックの演奏が何となくリトル・フィートを連想させる「Man Smart/Woman Smarter」。レオン・ラッセルがピアノで参加していました。後半部ではテナー・サックスのソロが延々と続き、レオン・ラッセルのピアノやスティール・パンの音がサポート。リチャード・カーペンターのピアノも必死に応戦しているものの、カーペンターズが置き去りにされた感が否めません。
もともとはKing Radioが1936年に発表したカリプソ・ナンバーで、ハリー・ベラフォンテも1952年にカヴァーしていました。


ロバート・パーマーのヴァージョン。1976年にシングルでリリース。こちらもスティール・パンが使われ、アーシーなスワンプ風の演奏に加えて、カリプソの雰囲気も残していました。貼付けが出来ないので下記のアドレスをクリックしてください。

http://www.youtube.com/watch?v=BR8sxc1V6zU

最後は「Calling Occupants Of Interplanetary Craft」。内容を要約すると、「宇宙からのメッセージを受け取ろう」というものです。オリジナル・ヴァージョンはクラトゥの 『3:47 EST』 (1976年発表)に収録されていました。クラトゥはカナダ出身のバンドで、ビートルズを思わせるようなメロディーとシンフォニックなサウンドを展開し、プログレッシヴ・ロックのファンからも高い評価を得ています。


これまでのカーペンターズとはひと味もふた味も違う意欲的なサウンドに仕上げられたアルバムは評論家の評価が高かったもののセールス面では芳しい成績を上げられず、初めてゴールド・ディスクを獲得することが出来ませんでした。
この時期のリチャード・カーペンターは心身ともに疲れ果てた状態で、アルバム発表から1年が経った頃には長期休養を余儀なくされてしまいました。売り上げ不振も災いしたことでしょう。その間にカレン・カーペンターはフィル・ラモーンのプロデュースのもとでソロ・アルバムをレコーディングしますが、陽の目をみるのは彼女が亡くなってからのことです。

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Karen Carpenter

図らずもクロディーヌ・ロンジェ、ザ・サンド・パイパーズと初期A&Mレコーズを代表するアーティストを紹介してきましたので、今回はそのA&Mの大看板だったザ・カーペンターズを取り上げることにしました。しかし、カーペンターズを扱ったブログの記事については星の数ほど存在します。というわけで、私は比較的論じられているのが少なそうなカレン・カーペンターの唯一のソロ・アルバムについて語ってみたいと思います。
リチャード・カーペンターが睡眠薬依存症の治療のために休養を余儀なくされた1979年、カレンはニュー・ヨークに渡りフィル・ラモーンをプロデューサーに迎えてソロ・アルバムを制作することを決意しました。フィル・ラモーンはポール・サイモンの『Still Crazy After All These Years(時の流れに)』(1976年発表)やビリー・ジョエルの『Just The Way You Are(素顔のままで)』(1979年)、『52nd Street(ニューヨーク52番街)』(1980年)などのアルバムのプロデューサーとして有名ですが、彼がプロデューサーとして関わったアーティストのアルバムや楽曲は枚挙に暇がありません。
カレンとラモーンは入念に打ち合わせをし、「カーペンターズのようなサウンドと一線を画すもの」、「歌詞の面でより成熟味を出すこと」の2点をコンセプトに決めました。1950年生まれのカレン。30歳という年齢を目前にした立派な大人の女性です。カレンは従来のイメージを払拭しようと努めたのでしょう。それ故完璧なものを目指したためか、当初半年の予定だった制作期間が一年掛かりの大仕事となり、余分に発生した制作費をカレンが私費で負担するはめになりました。
これほど苦労して作り上げたアルバムですが、完成された録音を聴いたリチャードの反応は鈍く、当時のA&Mの重役たちも発売に難色を示しました。失望したカレンはこのアルバムをお蔵入りさせることに決め、回復したリチャードとともにカーペンターズとしての活動を再開させて新しいアルバムの制作に取り掛かります。
このアルバムに収録された楽曲の中の4曲(「Lovelines」、「If I had You」、「If We Try」、「Remember When Lovin' Took All Night」)はカーペンターズ名義で出された『Lovelines(愛の軌跡)』(1989年発表)で世に出ており、また、カレンが亡くなった1983年に発表された『Voice Of The Heart』ではソロ・アルバム用に録音された「Make Believe It's Your First Time(遠い初恋)」のふたつのヴァージョンのうちの片方が収録され、シングル・カットもされています。ちなみにこの曲はボビー・ヴィントンが1980年にカレンに先んじてリリースし、小ヒットを記録していました。
まるで楽曲が小出しにされていたような印象を受けますが、『Make Believe It's Your First Time』のもう一方のヴァージョンを収録したカレンのソロ・アルバムは1983年に彼女が亡くなってから13年が経った1996年にようやく陽の目を見ます。

カレン・カーペンターはもともと内向的な性格だったらしく、それ故自分がリード・ヴォ-カルという目立つポジションにいることをためらっていたと言われています。レオン・ラッセル作の「Superstar」(1971年発表の『Carpenters』収録)の中の「And I can hardly wait to sleep with you again」という歌詞の一文をボニー・ブラムレット(1970年にシングルで発表、1972年発表のデラニー&ボニーの『D&B Together』に収録)やリタ・ク-リッジ(1970年発表のジョー・コッカーの『Mad Dogs & Englishmen』に収録)やベット・ミドラー(1972年発表の『The Divine Miss M』に収録)らは原文のまま歌っているのに対し、その内向的な性格からかカレンはどうしても「Sleep」と発することが出来ず、カーペンターズのヴァージョンは「Be with you again」と変更されていました。カーペンターズのキャラクターも考慮されたのかもしれませんが、当時の社会背景やカレンの生い立ちや年齢なども念頭に入れて取られた措置だったのでしょう。
しかし、前述のようにこのソロ・アルバムでは成熟した「大人の女」の雰囲気を醸し出そうとしたためか、過激で刺激的な歌詞が目立ちます。

元シカゴのピート・セテラの作品、「Makin' Love In The Afternoon」。カレンとのデュエットの相手として彼の歌声も聴けます。「Sleep」さえ口に出せなかった人が、「Makin' Love」とは年相応というのか、自然な成長を遂げられたというのか、人間とはそんなものなんでしょうね。


Makin' love in the afternoon
Makin' love to another Beatle tune
And I know you're feelin' the same way too

午後の情事
ビートルズの曲で愛を交わす
あなたもまた同じような気分じゃないかしら


アルバムの中から2曲続けて聴いたいただければ幸いです。「Remember When Lovin' Took All Night」 、ポール・サイモン作の「Still Crazy After All These Years(時の流れに)」(1976年発表の同名アルバムに収録)です。


Discover Karen Carpenter!


Remember When Lovin' Took All Night
You're close enough
To touch again
Where you should be
I'd love to think what your smile is leading to
I feel your eyes, starting a fire all over me
Oh baby you know, I know what your arms can do

Remember whe lovin' took all night
Remember the feelin' of doing it right
It's been so wrong
You've been gone too long
Now it's gonna be all right
We'll take all night again tonight

And I think you know that missing you
Took all my time
Loneliness never ran so deep till then
Now here we are
Lost in a feelin' of feelin' good
Baby you know, I'll love you again and again

Remember when lovin' all night
Remember the feeling of doing it right
It's been so wrong you've been gone too long
Now It's gonna be alright
We'll take all night again tonight

手を伸ばせば届くほど近くに
あなたは戻って来た
あなたがいるべきところに
あなたの微笑みが誘う意味を
考えるのが好き
あなたの視線を感じ
私の体中に火がつき始める
あなたの腕が何をするのか分かっている

憶えてる? 一晩中愛し合ったことを
憶えてる? 上手くいったあの感じを
ずっと間違っていたのよ
あなたが長い間いなかったなんて
もう大丈夫
今夜も一晩中愛し合いましょう

分かってると思うけど
会えなくて辛いと
ずっとそのことばかりを考えている
あのときほど孤独が身に滲みたことはなかった
今はこうして
最高にいい感じの夢中
ベイビー、何度でも愛してあげたいわ

憶えてる? 一晩中愛し合ったことを
憶えてる? 上手くいったあの感じを
ずっと間違っていたのよ
あなたが長い間いなかったなんて
もう大丈夫
今夜も一晩中愛し合いましょう


アルバムから「If I Had You」。


続いて「My Body Keep's Changing My Mind」。1970年代末から80年代始めに流行ったディスコ調のサウンドです。バックにはブラザーズ・ジョンソンのルイス・ジョンソンや元ルーファスのジョンソン・ロビンソンなどが参加していました。このソロ・アルバムが発売された1996年に聴いたときは古めかしく感じたのですが、いま耳にするといやに新鮮な気がして何とも妙です。


最後に「Make Believe It's Your First Time」。時間が宜しければソロ・アルバムに収録されたヴァージョンとカーペンターズ名義で発表されたヴァージョンを聴き比べていただければ幸いです。




この他にもカレンがビリー・ジョエル・バンドを従えた「Still Love With You」を始めとして心に残る曲が揃っておりますが、とても全曲紹介しきれません。また、このソロ・アルバムのセッションでレコーディングされた曲の中にはポール・サイモン作の「I Do It For Your Love」などアルバム未収録曲が幾つか存在します。それらはブートレグとして発売されておりますし、YouTubeでもアップされていました。

遠い初恋遠い初恋
(2003/01/29)
カレン・カーペンター

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