好きな音楽のことについて語りたいと思います。

The Byrds - SWEET HEART OF THE RODEO

前回はカントリー・ロックにポップ・フィーリングを持ち込み、爽やかなサウンドを響かせるPOCOを取り上げました。今回はバーズが1968年に発表し、「カントリー・ロックの起源」と称される『SWEETHEART OF RODEO』について語りたいと思います。

ロデオの恋人ロデオの恋人
(2005/04/20)
ザ・バーズ

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1. You ain't goin' nowhere
2. I am a pilgrim
3. Christian life
4. You don't miss your water
5. You're still on my mind
6. Pretty boy Floyd
7. Hickory wind
8. One hundred years from now
9. Blue Canadian Rockies
10. Life in prison
11. Nothing was delivered
12. You got a reputation
13. Lazy days
14. Pretty Polly
15. Christian life
16. Life in prison
17. You're still on my mind
18. One hundred years from now
19. All I have is memories

こちらはデモやアウトテイク、そしてグラム・パーソンズがバーズ加入以前に在籍したインター・ナショナル・サブマリン・バンドの音源が収録されたデラックス・エディションです。
ロデオの恋人ロデオの恋人
(2003/11/06)
ザ・バーズインターナショナル・サブマリン・バンド

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前述したように「カントリー・ロックの起源」と称されるアルバム『SWEETHEART OF THE RODEO』ですが、これ以前にカントリー・ミュージックを取り入れたロッカーはあまたに存在しています。例えばバッファロー・スプリングフィールドの1stに収録されていた「Go and Say Goodbye」は1966年のリリースでバーズよりも2年早く、ザ・ビートルズの『HELP! 』に収められた『I've Just Seen A Face』は1965年に発表されていましたし、このアルバムではバック・オウエンズの「Act Naturally」をカヴァーしていました。また、ジョージ・ハリスンの奏法はチェット・アトキンスから大きな影響を受けています。
さらに、ナッシュヴィルで録音されたボブ・ディランの『John Wesley Harding』に入っている「Down Along the Cove」や「I'll Be Your Baby Tonight」といった曲にはあきらかにカントリー・ミュージックの影響が窺えました。
バーズも1965年の『Turn! Turn! Turn! 』の中でポーター・ワゴナーが歌ったカントリー・ナンバーの「Satisfied Mind」やスティーヴン・フォスターの「Oh! Suzannah」などカントリー志向が窺える曲をレコーディングしており、1966年にリリースの『Younger Than Yesterday』に収録されたクリス・ヒルマン作の「Time Between」はカントリー・ロックの先駆けと解釈できる楽曲でしょう。
しかしながらナッシュヴィルのミュージシャンを起用し、正統派カントリーの色合いが濃い曲で占められた本格的なアルバムとしてはこの『SWEETHEART OF RODEO』が最初のものだったと言えます。

バーズはアルバムの中でカントリー風の楽曲を演奏していても、全体的には斬新なアイデアが目立つ曲を提示してきました。それがどうして全編をカントリー・サウンドで埋められたアルバムを発表したのでしょうか。もともとロジャー・マッギンはカントリーのアルバムを作ることに乗り気でなかったと言われています。彼の構想では伝統的なフォーク、カントリー、そしてロックン・ロールに至るまでのアメリカ音楽史全体を網羅するようなコンセプトが描かれていました。
前作『Notorious Byrd Brothers』を最後にデヴィッド・クロスビーとマイケル・クラークが脱退。ロジャー・マッギンは新たなメンバーとしてマッコイ・タイナーのようなジャズのピアノが弾けるピアニストを求めていました。しかし、もともとブルーグラス畑出身のクリス・ヒルマンの頭の中にはカントリー・ミュージックへと舵を切りたい考えがあったのでしょうか、バーズと共通のスタッフがいたということが縁でグラム・パーソンズ率いるインター・ナショナル・サブマリン・バンドのアルバム『Safe At Home』のレコーディングを見学し、グラムとすっかり意気投合してしまいました。このときクリスは腹を決めたのかもしれません。

Safe at HomeSafe at Home
(2004/12/07)
The International Submarine Band

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幸いグラム・パーソンズはピアノも達者で、ロジャー・マッギンの前でジャズ風のピアノ演奏を行い、バック・オウエンズの曲を歌ってみせました。マッギンはグラムの実力と才能を認め、クリス・ヒルマンの後押しもありバーズのメンバーに加えることを承諾します。さらにヒルマンはマッギンに構想を断念するように説得。また、マイケル・クラークの後任のドラマーには自分の従兄弟のケヴィン・ケリーを既に加えており、着々とロジャー・マッギン包囲網を張り巡らしていました。こうして全編カントリーのアルバム制作というヒルマンの思いは実現の運びとなります。

この『SWEETHEART OF THE RODEO』ではロジャー・マッギンのオリジナル作品がなく、ボブ・ディラン作の2曲、グラム・パーソンズの書いた2曲以外はカントリー・ミュージック系の楽曲で占められていました。マッギンはディランの歌では持ち味を発揮していますが、やや精彩を欠く印象が否めません。対して、グラム・パーソンズは自作を含めて5曲のリード・ヴォーカルを担当していました。
しかし、グラム・パーソンズのバーズへの電撃移籍に関してインター・ナショナル・サブマリン・バンドのマネージャーからクレームが入り、グラムの歌う「The Christian Life 」、「You Don't Miss You Water」はロジャー・マッギンのヴォーカルに差し替えられ、「One Hundred Years From Now」はマッギンとクリス・ヒルマンのコーラスが添えられました。こうしてロジャー・マッギンのパフォーマンスが追加された結果、幸か不幸か彼のリーダーとしての面目を保つ格好に収まったように思えます。

バーズが自信を持って送り出した『SWEETHEART OF THE RODEO』は話題になったもののロック・ファンから温かく迎えられることはなく、カントリーのファンからは反発を受け、評論家の論評も賛否が分かれました。セールス的にも芳しい成績を上げることが出来ず、次回作の方向は修正を余儀なくされることになります。
グラム・パーソンズは自分のヴォーカルが差し替えられたことに落胆し、南アフリカ公演にも賛同できずバーズを離れる決心をします。恵まれた家庭環境に育ち何不自由なく育ったといわれるグラム・パーソンズ。彼にはバーズを自分の意のままに動かせるという慢心があったのかもしれません。それ故、乗っ取りが叶わないと判断しての離脱は必然的なことでしょう。
クリス・ヒルマンも責任を取るかのようにバーズを辞め、グラム・パーソンズと合流してフライング・ブリトゥ・ブラザーズを結成します。彼らにとっては『SWEETHEART OF THE RODEO』はその後のキャリアの出発点に過ぎなかったのかもしれません。
クリス・ヒルマンが抜けたバーズに居場所を無くしたのか、ケヴィン・ケリーも脱退。残されたロジャー・マッギンは『SWEETHEART OF THE RODEO』を含めたこれまでのアルバムのレコーディング・セッションに度々参加していたクラレンス・ホワイト(ギター)を正式メンバーに迎え、さらにジーン・パーソンズ(ドラムス)、ジョン・ヨーク(ベース)などを加えて新生バーズを始動させます。

それではアルバムの楽曲を紹介して行きます。
オープニングはボブ・ディラン作の「You ain't goin' nowhere」。


グラム・パーソンズとクリス・ヒルマンが抜け、クラレンス・ホワイト(ギター)、ジーン・パーソンズ(ドラムス)、ジョン・ヨーク(ベース)を新たに加えた陣容でのライヴ映像。「You Ain't Goin' Nowhere」に続いて、同じくボブ・ディラン作の「Wheels On Fire」を演奏しています。


ブルーグラスに拘ることなくジャンルを超えて幅広い活動を行うバンジョー・プレイヤー、アール・スクラッグスとのセッション映像。この時期にはベースがジョン・ヨークからスキップ・バッティンに交替していました。


ボブ・ディランのヴァージョン。ザ・バンドとの共演盤『The Basement Tapes』(1975年発表)に収録。



続いて、「ヨルダン河に降りて行って疲れた魂の許しを請うことにしよう。主の着物のへりにでも触れれば幸運だ。そのとき主は私を故郷に連れ戻してくださるはずさ」と歌われる「I am a pilgrim」。宜しければ下記のURLをクリックしてお聴きください。
http://www.youtube.com/watch?v=I-rcAuk6UGE

ジューン・カーター、ジョニー・キャッシュ、ピート・シーガーによるヴァージョン。


The Soul Stirrersのヴァージョン。こちらはゴスペルのアレンジです。


「人の助けはいらない。神の光があるから。俺はクリスチャンの生活が好きなのさ」と歌われる「Christian life」。
http://www.youtube.com/watch?v=SBAz7iwPPdg

グラム・パーソンズがヴォーカルを取るヴァージョン。


恋人が去って行った悲しみの気持ちが込められた「You don't miss your water」。もともとは黒人シンガーのウィリアム・ベルが書いた楽曲で、オーティス・レディングも1965年発表の『OTIS BLUE』でソウルフルに歌っていました。
http://www.youtube.com/watch?v=Nj1AxSYOxLc

グラム・パーソンズのヴォーカル・ヴァージョン。


ウィリアム・ベルのヴァージョン。


ブラス・セクションも印象的なオーティス・レディングのヴァージョン。


失恋した相手の面影が忘れられない切なさが描かれた「You're still on my mind」。
http://www.youtube.com/watch?v=8Ua2EMC_Qsc

大恐慌時代におけるアウトロウの物語、「Pretty boy Floyd」。
http://www.youtube.com/watch?v=Mtxan0bJw7k

ロジャー・マッギンのソロ・アクト。2007年にC.F.マーティン社の主催で行われた横浜レンガ倉庫におけるライヴの映像のようです。


ウディ・ガスリーのオリジナル・ヴァージョン。


郷愁を誘うようなグラム・パーソンズの歌声が胸を打つ「Hickory wind」。グラムとインター・ナショナル・サブマリン・バンドのボブ・ブキャナンの共作です。
http://www.youtube.com/watch?v=9VX-GdOTw9A

HICKORY WIND
サウス・キャロライナには
背の高い松の木が沢山
俺は樫の木を思い出す
その木によく登ったものさ
でも今じゃおれは一人きり
ヒッコリーの風を感じるように
いつも装っていた

俺は若い頃から
殆ど全てのことをやってきた
富と喜び
人生にはそれ以外に何があるっていうんだ
だがあの頃を思い出す度に落ち着くのさ
俺を故郷に呼び戻してくれ
ヒッコリーの風よ

道を見つけるのは辛いことさ
困難は現実のこと
街を遠く離れて
心も遠く
俺を故郷に呼び戻してくれ
ヒッコリーの風よ
呼び続けてくれ
ヒッコリーの風よ


キース・リチャーズのカヴァー・ヴァージョン。グラム・パーソンズのトリビュート・コンサートからの映像です。バーズはイギリス・ツアーを行った際にローリング・ストーンズと交流を深め、特にキースとグラムは意気投合して親しくなりました。


エミルー・ハリスのカヴァー・ヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=WCCAZgI_hrE

ギリアン・ウェルチのカヴァー・ヴァージョン。グラム・パーソンズの作品は歌い継がれて行きます。
http://www.youtube.com/watch?v=lbMM8LnrirQ

グラム・パーソンズ作の「One hundred years from now」。
http://www.youtube.com/watch?v=i_9AXakWgxQ

グラム・パーソンズのヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=APLrlL3YsPY

クリス・ヒルマンが歌うカントリのスタンダード・ナンバー、「Blue Canadian Rockies」。
http://www.youtube.com/watch?v=oGRq5_X3Gw0

マル・ハガードのナンバー、「Life in prison」。妻を殺した罪で一生を監獄で過ごすことが強いられた男の嘆きが描かれていました。
http://www.youtube.com/watch?v=UEbgsj14UDs

ボブ・ディラン作の「Nothing was delivered」。
http://www.youtube.com/watch?v=Zfq91LLXRyY

ボブ・ディランのヴァージョン。前述の『The Basement Tapes』に収録。


ボーナス・トラックとして加えられた「You got a reputation」。
http://www.youtube.com/watch?v=_uSBJTjEliQ

こちらもボーナス・トラックとして収められた「Lazy days」。後にフライング・ブリトゥの『Burrito Deluxe』(1970年発表)で再演されました。
http://www.youtube.com/watch?v=xrdYSY7YR18

こちらはバーニー・リードンがリード・ヴォーカルを担当するヴァージョンの映像です。


ブリティッシュ・トラッドと共通する雰囲気を持つ「Pretty Polly」。ロジャー・マッギンはこの曲をソロ・アルバム『Cardiff Rose』(1976年発表)にて違ったアレンジで再演していました。
http://www.youtube.com/watch?v=-Ni2uOVcPCA

ブルーグラスの大御所ラルフ・スタンリーとパティ・ラヴレスの共演ヴァージョン。


最後はインストゥルメンタル、「All I Have Are Memories」。


POCO - LEGACY

今回は拙ブログとリンクしていただいているPurple_Hazeさんのブログ『Blues Power』でPOCOの1st『PICKIN' UP THE PIECES』が記事にされているのに触発されて、1989年に彼らがオリジナル・メンバーで集結したアルバム『LEGACY』を取り上げることにしました。

LegacyLegacy
(2001/09/03)
Poco

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1. When It All Began
2. Call It Love
3. Nature of Love
4. What Do People Know
5. Nothin' to Hide
6. Look Within
7. Rough Edges
8. Who Else
9. Lovin' You Every Minute
10. If It Wasn't for You
11. Follow Your Dreams

ポコは1968年に元バッファロー・スプリングフィールドのリッチー・フューレイ(ギター)とジム・メッシーナ(ギター)の二人が中心になって結成されました。彼らはバッファロー3rdアルバム『Last Time Around』(1968年発表)のレコーディングに参加したスティール・ギタリストのラスティ・ヤングを誘い、さらにラスティとバンドを組んでいたことのあるジョージ・グランサム(ドラムス)を加え、そこにコロラド出身のバンド、プアーのメンバーだったランディ・メイズナー(ベース)が参加してオリジナル・ポコの誕生となります。
ところがファースト・アルバム『PICKIN' UP THE PIECES』のレコーディング途中にランディ・メイズナーが脱退。アルバムは残りの4人で完成に漕ぎ着け、1969年に発表されました。
ランディ・メイズナーはその後、リック・ネルソンのバック・バンドを経てイーグルスに参加。1977年のイーグルス脱退から現在に至るまでマイペースで音楽活動を続けています。
バッファロー時代は途中参加の弱みもあり、ニール・ヤングとスティーヴン・スティルスといった先輩の陰に隠れるようにベースを弾かされていたジム・メッシーナですが、ポコでは本業であるギターを思う存分プレイすることができました。しかし、彼もまた1971年発表のサード・アルバム『Deliverin'』を最後にバンドを離れます。その後はケニー・ロギンズとロギンズ&メッシーナを結成し成功を収めました。
リーダー格としてポコを引っ張っていたリッチー・フューレイも1973年、アルバム『Crazy Eyes』発表後に突如脱退を表明。J.D.サウザーや元バーズのクリス・ヒルマンらとサウザー、フューレイ&ヒルマン・バンドを結成します。このバンドは2枚のアルバムを残して解散。リッチー・フューレイはソロ活動を始めると同時に、宗教へ帰依して牧師となりました。
ジョージ・グランサムは1977年の『Indian Summer』を最後にバンドを脱退。その後は自分のバンドの結成やポコへの再加入を繰り返しましたが、2004年に病で倒れ、現在は参加していないようです。
こうして最後まで残ったオリジナル・メンバーはラスティ・ヤングただ一人のみでした。
このようにメンバーの入れ替わりが激しかったバンドですが、ティモシー・シュミット(ベース)、ポール・コットン(ギター)など才気ある腕達者なミュージシャンが在籍し、カントリー・ロックを基盤とした快適なサウンド、清涼感溢れるコーラスを継承し続けます。また、ランディ・メイズナーが脱退したイーグルスにティム・シュミットが加入するという因縁めいた出来事も起こりました。

どうしてポコが1989年にオリジナル・メンバーの再結集したアルバムを作ったのかよく分かりません。低迷していた時期の話題作りだったのでしょうか。
結果的にオリジナル・メンバーによるアルバムは1枚限りに終わりました。話題を呼んだもののセールス面ではヒット曲「Heart of the Night」を含んだ『Legend』(1978年発表)を凌ぐことなく、芳しい成績を上げることが出来なかったのです。ポコは1990年に来日していますが、その時のメンバーにリッチー・フューレイの顔はありませんでした。牧師としての職務を優先させたのが理由とされています。また、1991年の来日ではまたもやジョージ・グランサムが抜けていました。
この来日公演の後、ジム・メッシーナはソロ活動に戻り、ランディ・メイズナーも自身のバンド、ブラック・タイに復帰しました。またも一人残されたラスティ・ヤングはポール・コットンを呼び戻し、ポコとしての活動を継続。幾度か休止状態に陥ったこともあるようですが積極的にライヴを行い、2002年には久々のアルバム『Running Horse』をリリースしました。その後も2004年に『The Last Roundup』、『Keeping The Legend Alive』、2005年に『Bareback At Big City』、2006年に『The Wildwood Sessions』などのライヴ・アルバムを発表しています。

アルバム『LEGACY』に話を戻しましょう。メンバー自身が年齢を重ね、それなりに紆余曲折の人生を経験したと思います。初期のアルバムと比べると当然ながら落ち着きと余裕が感じられますし、太陽のような明るさの中にも翳りと哀愁が漂っていました。でも、決して同窓会的な気分ではなく、真剣にポコのサウンドを追求した結晶のようなものがここには存在します。なお、プロデューサーにはボブ・シーガーやリチャード・マークスを手掛けたデヴィィッド・コールが起用されました。

それではアルバムの中から何曲か紹介して行きましょう。
オープニング・ナンバーはリッチー・フューレイがヴォーカルを担当する「When It All Began」。伸びのあるハイテナーの歌声は衰えず、存在感を示しています。デヴュー当時を振り返り、再出発にあたっての心境が歌詞の中で語られていました。


WHEN IT ALL BEGAN
それほど遠くない あの日の気分を思い出す
若者たちは踊り、心に夢を抱いた
音楽は「ライヴ・ポコ」だった
カントリーだと呼ぶヤツがいれば
ロックン・ロールだと呼ぶヤツもいた
サウンドがどうであろうと
音楽はハートとリズムと魂で見つけるものだった

憶えているかい 最初の頃を
憶えているかい 最初に音楽を感じた時のことを

ああ 君たちは憶えているかい
最初にすべてが始まった時のことを
あの頃のことを憶えているかい

ニューヨークもボストンも そりゃ楽しかったぜ
夏の夜の公園で 音楽が始まると
いつまでも「 A good feelin' to know」を俺たちは一緒に歌い
音を大きく上げて聴衆に心を捧げた
でもショウの終わりはやって来た

あの瞬間を捕らえて
俺たちのものにするとしよう
俺たちには思い出せるのさ
全てが始まった頃のことを


「A good Feelin' to know」は1972年リリースの同名タイトルのアルバムに収録されていたリッチー・フューレイ作の楽曲。

シングル・カットされた「Call It Love」。軽快なカントリー・ロックに仕上げられたこの曲にはラスティ・ヤングの歌声がよく似合っています。


2007年のライヴ映像。メンバーは画面左からラスティ・ヤング、ポール・コットン、ジャック・サンドルーのようです。



ランディ・メイズナーが歌うサザン・ロック調の「The Nature Of Love」。


こちらもランディ・メイズナーがリード・ヴォーカルを担当する「Nothing to hide」。リチャード・マークスの作品ですが、まるでイーグルス時代のランディ・メイズナーを彷彿させます。リチャード・マークスが楽曲を提供したのはこの『LEGACY』のプロデューサーがデヴィッド・コールだったからかもしれません。
ランディ・メイズナーはこのアルバムでもう1曲、「Rough Edges」でもリード・ヴォーカルを担当していました。こうした働き具合や貢献度を鑑みると、現在のポコのメンバーには甚だ失礼ですが、ランディ・メイズナーはポコに戻ったほうがいいのではと思ってしまいます。
残念なことにこの映像は途中で終わってしまいます。


甘く切ない「It Wasn't For You」。リッチー・フューレイの作品です。こちらは少々バッファロー・スプリングフィールド時代や初期のポコを思わせるようなメロディー・ラインや何故かイーグルス風にも受け取れるコーラス・ワークが窺えました。


アルバムの締めくくりはジム・メッシーナの「Follow Your Dreams」。ロギンズ&メッシーナ時代を連想させるかのような楽曲です。


ライヴ映像です。


今回のボーナス・トラックは「Pickin' Up The Pieces」。2004年に行われたライブの映像をご覧ください。リッチー・フューレイがゲスト出演していました。


James Taylor - HOURGLASS

今回は前回のキャロル・キングに続く来日予定便乗企画第二弾です。ご登場いただく方はもちろんジェームズ・テイラー。彼が1997年に発表した『HOURGLASS』を取り上げました。

Hourglass [Enhanced CD]Hourglass [Enhanced CD]
(1997/05/22)
James Taylor

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1. Line 'Em Up
2. Enough to Be on Your Way
3. Little More Time With You
4. Gaia
5. Ananas
6. Jump up Behind Me
7. Another Day
8. Up Er Mei
9. Up from Your Life
10. Yellow and Rose
11. Boatman
12. Walking My Baby Back Home

このアルバムはプロデューサーのドン・グロルニックに捧げられていました。彼はブレッカー・ブラザーズなどで活躍したピアニストで、これまでにもJTの『Never Die Young』(1988)、『New Moon Shine』(1991)などをプロデュースした人です。この『HOURGLASS』もドン・グロルニックがプロデュースを担当する予定でしたが、彼が他界したために望み叶わずJT自身とフランク・フリペッティがその任に当たりました。

ジェームズ・テイラーといえばどうしてもフォーク系のシンガー・ソング・ライターとしてのイメージが強いようですが、彼の音楽のルーツを考えてみると他の兄弟たちと同様にジャズやR&Bといった黒人音楽、はたまたラテンやボザノヴァの影響が垣間みられます。そのことを証明するかのように、これまでのアルバムにおいてもR&Bやスタンダードの楽曲をよく取り上げていました。
今回の『HOURGLASS』は前述のようにジャズ=フュージョン系のアーティストであるプロデューサーのドン・グロルニックを失い、自らがプロデュースしたためか原点回帰の様相がそこはかとなく感じ取れます。かと言って、決して『Sweet Baby James』の頃のようなサウンドに仕上げられているわけではなく、シンプルで繊細で暖かみのある彼本来の特色が醸し出されているように受け取れました。

それではアルバムに収録された楽曲を紹介して行きます。
ラテンとフュージョンを融合したような雰囲気のオープニング・ナンバー、「Line 'Em Up」。冒頭でニクソン元大統領がホワイト・ハウスを去る場面を皮肉った後に、1974年当時のJT自身を振り返り、「山あり谷あり」だったことを偲んでいました。


ライヴ映像です。






アイリッシュ風で始まる「Enough to Be on Your Way」。「さようなら、長年の友よ」という言葉があり、ドン・グロルニックに捧げられた歌のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=z2t9QcMoZ0M

シングル・カットされた「Little More Time With You」。麻薬中毒だった自身を語っているようです。


LITTLE MORE TIME WITH YOU
番犬に俺を見てもらわねばな
荷造りをしている俺を見てもらわねばな
あいつは俺が街を離れるのを知っているんだ
厄介なことだとは俺にも分かっている
どうして自分の愛する暮らしを捨てて行くのか
この素晴らしいメイン州での暮らしを
輝く線路を走る列車に乗り込むだけなのに
束縛されるだけなのに

おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
そうしよう そうするんだ
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねばな

コカインには目もくれず
メタドン(モルヒネやヘロインに似た麻薬)にもおさらばした
酒瓶はもう一日しまっておこう
煙草もそろそろやめにしよう
それでも俺はまだ麻薬常用者のような気分さ
ノーと言えない男のようだぜ
振り返るとあの猿(麻薬常用者)がいる
悪党どもが放してくれないんだ

おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
そうしよう そうするんだ
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねばな

俺はハイになったまま正気に戻れない
俺はハイになったまま時間をつぶしている
俺はハイになったまま遺失物取扱所に行く
俺はハイになったままなんだ

おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねば
そうしよう そうするんだ
おまえと一緒にもう少し多くの時間を過ごさねばな


ライヴ映像です。


こちらも別の会場でのライヴ映像。ブログへの貼り付けが出来ないので宜しければ下記のURLをクリックしてご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=vUBZhSPoe2k

環境保護へのメッセージが込められた「Gaia」。なお、「ガイア」とは地球、母なる大地という意味で、環境保護論者が好んで使う表現です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ynttgx6lNL4

あたかも人間は人間自身による創造物であるかのように
あたかも人間は神に選ばれし者のように
そして人間を取り巻く世界が粗暴で危険な侵略者のように
母なる大地ガイアよ

誰かがいま人間たちの過ちを止めなければ
人間の過ちから人間を救おう ガイアよ
誰もいま人間たちを止めようとしないから

JTからさりげなく投げかけられたメッセージは説得力のあるものでした。

扉を開けて俺を迎え入れてくれと歌う「Ananas」。ラヴ・ソングのようです。
http://www.youtube.com/watch?v=HKqLw2diG0w

ライヴ映像です。


http://www.youtube.com/watch?v=k8LhAiuklSM

「大事なことはただひとつ、誠実な愛」と歌われる「Jump up Behind Me」。


恋人とともに明日への希望が前向きに歌われる「Another Day」。


ライヴ映像です。


身近なところに楽園があることに気づいたことが歌われる「Up Er Mei」。
http://www.youtube.com/watch?v=a8ayMmM4mmo

自分の運命は結局は自分次第であると説くかのような「 Up from Your Life」。
http://www.youtube.com/watch?v=80RtZUE1FRA

オーストラリアの自然環境破壊をテーマにした「Yellow and Rose」。

http://www.youtube.com/watch?v=ySZ2P_io3v4

「The are blue and green no more. They are yellow and rose」と歌われており、「Blue」が青空や海、「green」が森林および自然環境全体を指すことは容易に想像がつきますが、「yellow」と「rose」が何の喩えなのかよく分かりません。砂漠の「yellow」との解釈は出来ますが、バラ色の「rose」は何を意味しているのでしょうか。

アルバムのテーマはJTが語るところによると、「暗闇から明るさ」、「再生と変容」だそうです。この「Boatman」での「I would forever run free(そうすれば俺は永遠に自由に走れるだろう)」という言葉も再生と変容をあらわしているのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=8osv63yWTuo

アルバムの最後を飾る他愛ないラヴ・ソング、「Walking My Baby Back Home」。


ヒドゥン・ボーナス・トラックとして収録されていた「Hangnail」。
http://www.youtube.com/watch?v=WT-vNmMLNQk

Carole King - PEARLS

キャロル・キングとジェームズ・テイラーが2010年の4月にジョイントで東京公演を行うとの記述がそれぞれのウェブ・サイトに記されていました。デフレ経済と反比例するかのように外国人アーティストのコンサートのチケット料金が高騰する昨今、二人でいったいいくらになるのだろうかと思ったのと同時に、2008年に行われたキャロル・キングの大阪公演で空席が目立っていた状況を鑑みると観客動員は厳しいのではないのかとの不安も頭の中をよぎります。
さて、今回は遠慮なく話題に便乗させてもらうことにしました。ご登場願うはキャロル・キング。お題は1980年にリリースされた『PEARLS』です。このアルバムはキャロル・キングが、当時の夫であったゲリー・ゴフィンと組んでコンポーザーとして活躍していた1960年代の楽曲を集めて構成されたセルフ・カヴァー集でした。
1975年に発表した『Thoroughbred 』を最後にオード・レコードを離れ、キャピトル・レコードに移籍。『Simple Things』(1977)、『Welcome Home』(1978)、『Touch The Sky』(1979)と毎年のようにアルバムをリリースするものの売り上げが芳しくない状況が続きます。
そうした中で、1980年に出されたセルフ・カヴァー集『PEARLS』は話題を呼び、全米44位まで上昇しました。オード時代に比べると華やかさに欠けるものの一定の存在感を示すことが出来たのです。しかし、企画ものの域を出ないこのアルバムはアレンジに目新しさがなく、決してキャロル・キングのファンを満足させるという内容でなかったことも事実でした。

パールズ(紙ジャケット仕様)パールズ(紙ジャケット仕様)
(2007/11/05)
キャロル・キング

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1. Dancin' with Tears in My Eyes
2. Locomotion
3. One Fine Day
4. Hey Girl
5. Snow Queen
6. Chains
7. Oh No Not My Baby
8. Hi de Ho
9. Wasn't Born to Follow
10. Goin' Back

昨今は洋の東西を問わずセルフ・カヴァーや他人の楽曲のカヴァーなどを集めた企画ものが横行する時代のようです。こうして新曲「Dancin' With Tears In My Eyes」で始まり、幼少期への憧憬を歌った「Goin' Home」で終わるという構成がなされたキャロル・キングの『PEARLS』を改めて聴いていると、彼女には自分の作品と距離を置き冷静な視点でそれらを見つめ直すといった姿勢が窺えました。決してノスタルジーではなく、未来へ向かって進むためのの区切りという思いが伝わって来るかのようです。売り上げを伸ばす意図で安易に作られたものでないことがよく分かりました。

それではアルバムに収録された楽曲を紹介して行きます。
オープニング・ナンバーはこのアルバム唯一の新曲、「Dancin' With Tears In My Eyes」。


ここからセルフ・カヴァーのオン・パレードが始まります。まず、皆様よくご存知の「Locomotion」。リトル・エヴァの歌で1962年に全米チャート第1位に輝き、1974年にはグランド・ファンクが取り上げ(同年発表の『Shinin' On』に収録)、これも全米1位を獲得する大ヒットです。他にも1963年にザ・シフォンズ(同年リリースの『One Fine Day』に収録)、1988年にはカイリー・ミノーグ(同年発表の『Kylie』に収録)。


お馴染みのリトル・エヴァのヴァージョンです。


SMAPの皆さんが出演する携帯電話会社のCMに使われて好評のグランド・ファンクのヴァージョンはライヴ映像でご覧下さい。


シルヴィー・ヴァルタンも1962年にカヴァーしていました。


カイリー・ミノーグのヴァージョンはユーロ・ビートにアレンジされていましたが、今回はひと味違うライヴ映像でお楽しみいただければ幸いです。ブログへの貼付けができないので宜しければ下記のURLをクリックしてご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=1z-cjxaZNiw

日本では伊東ゆかりさんのヴァージョン(1962年発表)が有名だとのことです。


続いて「One Fine Day」。


続いてそのライヴ映像。


ザ・シフォンズのオリジナル・ヴァージョンはアルバム『One Fine Day』(1963年発表)に収録 。


デヴィッド・フォアマンのヴァージョンは1976年リリースの『DAVID FORMAN』に収録されていました。


他にもカーペンターズがアルバム『Now & Then』(1973年発表)で、リタ・クーリッジが『Satisfied』(1979年発表)で、ナタリー・マーチャント 『One Fine Day』 (1996年発表) でそれぞれ取り上げていました。

ダニー・クーチやチャールズ・ラーキーらと組んだザ・シティ時代にレコーディングした「Snow Queen」の再録。


ザ・シティ時代の録音。アルバム『Now That Everything's Been Said 』(1968年発表)に収録されています。


ロジャー・ニコルズ・トリオのヴァージョンは1967年にシングルで発表。翌1968年にロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズとしてアレンジが変えられたものがアルバムに収録されました。


他にもアソシエーションがアルバム『Waterbeds In Trinidad!』(1972年発表)で、BS&Tが『New Blood』(1972年)で取り上げていました。

比較的印象が薄いながらも様々なアーティストに取り上げられている「Hey Girl」。


1963年にリリースされたフレディー・スコットのオリジナル・ヴァージョン。


マイケル・マクドナルドのヴァージョンはアルバム『Blink of an Eye』 (1993年発表) に収録。今回はライヴ映像をご覧下さい。


マイケル・マクドナルドはレイ・チャールズとも共演しています。レイ・チャールズのアルバム『Genius Loves Company』 (2004年発表) に収録。


この曲は多くのアーティストに取り上げられています。 他にもライチャス・ブラザーズ(1966年発表の『Soul & Inspiration』 に収録) 、ジョージ・ベンソン(1979年発表の『Livin' Inside Your Love』に収録)、ビリー・ジョエル(1997年発表の『Greatest Hits Volume III 』に収録)など枚挙に暇がありません。

続いて「Chains」。


クーキーズが歌って1962年に全米17位を記録したヴァージョンがオリジナルですが、映像がないのでビートルズのデヴュー・アルバム『PLEASE PLEASE ME』(1963年発表)に収録されていたヴァージョンをお聴きいただければ幸いです。他にもシルヴィー・ヴァルタン(1963年にシングル盤で発表)が取り上げていました。


アルバム『Wrap Around The Joy』の2007年版のボーナス・トラックや2001年リリースの『Love Makes The World』でも再演されることになる「Oh No Not My Baby」。


マキシン・ブラウンのオリジナル・ヴァージョンは1964年に全米24位を記録。今回はライヴ映像でご覧下さい。


ダスティ・スプリングフィールドのヴァージョンは アルバム『Ev'rything's Coming Up Dusty 』(1965年発表)に収録。


マンフレッド・マンは1965年にシングル盤で発表。


リンダ・ロンシュタットのヴァージョンは『Winter Light』 (1993年に発表) に収録。


他にもザ・シレルズがアルバム『The Shirelles Swing the Most』(1965年発表)で、アレサ・フランクリンが『Spirit in the Dark 』(1970年発表)で取り上げていました。ロッド・スチュワートも1973年にシングル盤でカヴァーしています。

前述のザ・シティ時代のアルバムでも録音していた『Hi-De-Ho』の再録ヴァージョン。


BS&Tのヴァージョンは『Blood, Sweat & Tears 3』(1970年発表)に収録。今回はローラ・ニーロ作の「And When I Die」とのメドレーで演奏されるライヴ映像でお楽しみください。


こちらも前述のシティ時代のアルバムでもレコーディングしていた「Wasn't Born To Follow」。


ザ・バーズのヴァージョンは1968年リリースの『The Notorious Byrd Brothers』に収録されていました。今回はピーター・フォンダ主演の映画『Easy Rider』(1969年公開)の映像とともにご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=gWhgLjim6Rc

アルバム『Writer』(1970年発表)でもレコーディングしていた『Goin' Back』。


GOIN' BACK
若い頃に学んだことを懐かしく思う
真実がよく分かる若き日々に戻っているようね

時間つぶしのゲームをすることもなく
おもちゃの電車もなければ木登りもしなくなった
若い気分のままで
年を重ねるのは罪ではない
人生というゲームで勝つことが出来るから

憶えている
恥ずかしがらずに友だちの手を伸ばせたこと
人に貸すためのおもちゃ以上のものを
今の私は持っている

静かに進むヨットを眺めている以外にも
やるべきことはたくさんあるわ
毎日が魔法の絨毯に乗っている気分
私たちに欠けているのはほんの少しの勇気
出来ることなら私を受け止めて
あの頃に戻って行くのだから

私たちに欠けているのはほんの少しの勇気
出来ることなら私を受け止めて
あの頃に戻って行くのだから


ダスティ・スプリングフィールドのヴァージョンは1966年にシングルで発表されました。


この曲を『The Notorious Byrd Brothers』で取り上げたことが、デヴィッド・クロスビーがバーズを脱退する原因となったといわれています。今回はテレビ・ショー出演時の映像でご覧下さい。『The Notorious Byrd Brothers』のレコーディング・セッションの途中で脱退したデヴィッド・クロスビーに代わってバンドに一時復帰したジーン・クラークの姿が観られる貴重な映像です。


ボン・ジョヴィもステージで取り上げているようです。
http://www.youtube.com/watch?v=gWhgLjim6Rc

私はブリティッシュ・ロックに疎いのでよく分からないのですが、クイーンのフレディー・マーキュリーがバンドとして正式にデヴューする前にLarry Lurexと名乗って発表したシングル『I Can Hear Music』 (1973年発表) のB面に「Goin' Back」が収録されていたようです。
http://www.youtube.com/watch?v=kIO9VHPsf8Q

他にもニルス・ロフグレンがアルバム『Nils Lofgren 』(1975)、ザ・プリテンダーズが『 Fever Pitch 』(1997年発表) 、ダイアナ・ロスが『The Very Best of Diana Ross - Love & Life 』(2001年発表) で取り上げていました。

The Beatles - Honey Pie

少々重苦しい記事が続いたので、今回はザ・ビートルズの皆様にご登場を願って気分を一新したいと思います。
取り上げる曲は「Honey Pie」。1968年に発表された『The BEATLES』(通称ホワイト・アルバム)に収録されていた1曲です。

ザ・ビートルズザ・ビートルズ
(2009/09/09)
ザ・ビートルズ

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Disc:1
1. Back in the U.S.S.R.
2. Dear Prudence
3. Glass Onion
4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
5. Wild Honey Pie
6. Continuing Story of Bungalow Bill
7. While My Guitar Gentley Weeps
8. Happiness Is a Warm Gun
9. Martha My Dear
10. I'm So Tired
11. Blackbird
12. Piggies
13. Rocky Raccoon
14. Don't Pass Me By
15. Why Don't We Do It in the Road?
16. I Will
17. Julia
Disc:2
1. Birthday
2. Yer Blues
3. Mother Nature's Son
4. Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
5. Sexy Sadie
6. Helter Skelter
7. Long, Long, Long
8. Revolution I
9. Honey Pie
10. Savoy Truffle
11. Cry Baby Cry
12. Revolution 9
13. Good Night

ポール・マッカートニー主導で作られたこの曲はディキシー・ランド調のジャズをベースにヴォードヴィル・スタイルに仕上げられ、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。
リード・ギターはジョン・レノンが担当しています。
イングランド北部に住んでいた娘がアメリカに渡って大スターに出世。恋人だった男は落ちぶれて、「戻って来てくれ」と懇願する様子が描かれた歌でした。



HONEY PIE
イギリス北部の町で働いていた彼女
今じゃアメリカで大スター
もし俺の言葉に耳を貸してもらえるんなら
言いたいことがあるんだ

ハニー・パイ、おまえは俺を夢中にさせる
愛しているが 俺は怠け者
だから どうか戻ってきておくれ

ああ ハニー・パイ 俺のありさまは悲惨
ハリウッド中を震撼させたおまえのその歌の魔力を
俺にも見せに来てくれよ

おまえが銀幕の伝説になった今は
会うことを想像しただけで膝ががくがく震えちまう

ああ ハニー・パイ おまえは俺を半狂乱にさせる
おまえのもとへ行けるなら
大西洋だって渡って行きたい気分だぜ
ハニー・パイ 戻って来てくれよ

おお、俺はこんな音楽 こんなホットな音楽が好きなのさ
俺に聴かせてくれよ あのハリウッドのブルースを

彼女を乗せたボートを海の向こうに運んだ風が
どうか俺のところに彼女を送り戻してくれないものか

ハニー・パイ、おまえは俺を夢中にさせる
愛しているが 俺は怠け者
だから どうか戻ってきておくれ


ビートルズの歌にはいわゆる「駄目男」、「情けない奴」が主人公としてよく登場します。とりわけ初期に発表されたジョン・レノン主導で書かれた曲ではネガティヴな要素が強く表されていましたが、ポール・マッカートニー主導で作られた作品はユーモラスな雰囲気が漂っていました。
先進諸国では元来、「男は弱音を吐かない、人前で泣かない」といった「男らしさ」が美徳とされていました。1960代の後半になると各人が持つ個性が評価されるようになり、「男らしさ」は画一的なものとして否定の対象となり徐々に崩壊し始めます。そうした変革の時代の中で、人間としての素直な心のありようを描いたビートルズの歌は人々の心を捉え、彼らが広く支持を集める一因になり得たのでしょう。

1996年にリリースされた『Anthology 3』に収録されていたヴァージョン。こちらはアレンジがハワイアン風です。


アンソロジー(3)アンソロジー(3)
(1996/10/30)
ザ・ビートルズ

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